⑪ソーターライン概要
ヘイノラの本機ライン及びエジャーラインで製材された製品は、
ソーターラインに送られる。
ソーターラインは4系列に分かれており、製品は明細毎に自動
で振り分けられる。製品はまずトリマーにて木口をカットする。
その後、幅と厚みをセンサーにより自動測定し、ソーターブース
に仕分けられる。ソーターブースのタイプは2種類あり、4系列
のうち3系列はビンソーターを使用し、残り1系列には角材を選
別する棚ソーターを使用する。各ソーターで仕分けられた製品は、
オートスタッカーにより積込み及び桟入れを自動で行う。

商号 株式会社オービス
(ORVIS CORPORATION)
本店所在地 広島県福山市南松永町四丁目1番48号
TEL 084-934-2621(代表)
設立 昭和34年11月18日
代表者名 代表取締役社長 御輿 岩男(おこし いわお)
資本金 6億8,498万円
事業内容 梱包用材等の製造、販売。プレハブハウスの製造、販売。仮設建物等のリース。一般建築の請負。カラオケハウス及びゴルフ場の運営。不動産の賃貸及び売買。
従業員数(連結) 240名(平成22年4月31日現在)
連結子会社 株式会社パル(広島県福山市)
TUI MARITIME S.A.(パナマ国パナマ市)

梱包用製材を主力に展開を図る㈱オービスの歩み

会社概要

昭和25年 1月 現会長個人で山林経営を開始
昭和34年11月 有限会社中浜材木店を設立、出資金100万円 
昭和37年 5月 製材工場建設、コンクリート用型パネルの生産開始
昭和43年 3月 ニュージーランド松製材工場建設、建築用構造材製材
昭和46年 6月 福山市に製材工場を新築
昭和49年 5月 広島営業所開設
昭和49年 9月 中浜木材株式会社に組織変更 資本金1,000万円 
昭和53年 1月 本社を福山市に移転 
昭和53年 3月 中浜住宅株式会社を広島市に設立
昭和55年10月  資本金1,000万円 大阪中小企業投資育成㈱の投資を受ける。
           資本金8,700万円 
昭和56年 5月 日本梱包株式会社(現㈱パル)を福山市に設立 資本金1,200万円
昭和61年10月 中浜住宅㈱を中浜ハウス㈱に商号変更
昭和61年10月 中浜木材㈱ハウス事業部販売部門を中浜ハウス㈱に移管
昭和62年 3月 本社工場新築移転
昭和62年 5月 豊栄工場建設(平成4年4月、広島工場へ改称)
昭和62年12月 中浜ハウス㈱の本社ビルを広島市に新築、不動産賃貸開始
平成 元年 4月 カラオケボックスの製造販売開始
平成 元年10月 カラオケハウス1号店を広島市にオープン 
平成 2年 4月 東海工場建設 (平成21年10月閉鎖)
平成 2年 9月  中浜木材㈱と中浜ハウス㈱が合併し
           社名を㈱オービス・ナカハマに商号変更 資本金2億3,200万円 
平成 3年 4月 カラオケハウスの運営を㈱パルに移管 
平成 4年 4月 ㈱オービスに商号変更
平成 5年10月 資本金3億2,600万円
平成 8年11月 木材事業部にて用船業務を開始 
平成12年12月 パナマにTUI MARITIME S.A. を設立
平成14年 8月 GREEN HOPE号 就航
平成14年11月  ㈱パルにて中須ゴルフ倶楽部営業開始 
平成15年 5月 福山市に賃貸マンションを取得し、賃貸を開始 
平成18年 9月 ジャスダック証券取引所に上場
平成20年 8月  姫路工場建設(岡山県姫路市飾磨区中島字宝来3067-55
平成21年10月期末 連結売上高 80億円

 ニュージーランド(New Zealand)産ラジアータパイン(松)の梱包用向け製材最大手の(株)オービス(本社=広島県福山市南松永町4-1-48、御輿 岩男(おこし いわお)社長、084-934-2621)が、'08年8月に完成した同社最大の生産拠点である姫路工場(兵庫県姫路市飾磨区中島字宝来3067-55)を訪ねた。
 前編のPART-Ⅰでは、同社が所有する木材専用運搬船グリーンホープ号が入港して原木が陸揚げされている模様を掲載した。
 本編は、陸揚げされた原木が姫路工場でどのような製材ラインで加工され製品に至るのか経緯を御輿社長に聞いた。


 

 自社船で輸送コストの大幅削減の効果

―まず自社船を所有した理由を教えて下さい
 平成14年8月に木材専用運搬船が完成し処女航海の途についた。当時は木材関係商社から一斉に一木材業者が船を持つことに対して、反対の声が上がったことを今でも忘れない。しかし我々にとって注文した原木の入荷が何時陸揚げされるのか、量は質は大丈夫なのか、ある意味で商社を信頼していても不安と焦燥が片時も頭から離れませんでした。以来、8年経った今、その心配は払拭されています。
 今はリアルタイムで船の状況を把握していられる。輸送コストで原木価格の約20%は削減できた。さらに原木の安定した価格で仕入れが確保できる。当然、相場はありますが以前のように商社を介しての駆け引きはなくなり、それにフレートの高下に大きく左右されなくなった。これは工場を経営する者にとって、この上ない安心と安定した経営計画が成り立つのです。以上のことが一番大きい所有したメリットでしょう。今ではグリーンホープ号が積載できる3万5千トン一船の運航では絶対量が足りない位になりました。またピストン航路の日本とニュージーランドの港間を約15日で発着の航路は、黄金航路と呼ぶほど天候に恵まれ運航に支障は少なく順調に入港することも幸いしています。

―原木のニュージーランド松について
 この樹種は植林木で計画的に造林されていますから、林区で伐採され直接タウランガの港へ集積されます。植林木ですから木の径は極端な不揃いもなく問題もありません。ただ、今入ってくる林区の材は強度がちょっと弱くなったかな、という程度で品質の差は林区によって多少違うようです。原因は専門家ではないので良く判りませんが、樹種改良に改良を重ねていますから、その辺りが影響しているのかも知れません。丁度今25~6年生の伐木を迎えた原木が入ってきます。松ですから当然ヤニが多いと思われがちですが、最近入る林区のニュージ松はヤニが少なく、その分粘りが多少減ったとでも言いましょうか、現地にもその辺りを調べるように指示は出しているところです。ただし製品に仕上げた場合、何等強度的にも全く問題はありません。

たまたま足を止めた展示機械に魅せられて
―新工場の機種選定については    
 当初、機種選定のきっかけとなるものは全く無かったのです。'03年リグナ・ハノーバーの国際木工林業機械見本市でフィンランドのメーカー・ヘイノラ社のブースに本機が展示してあるだけで担当者は誰もいなかった。足を止めて暫らく見ている内に、この機械はいいなぁ~と思いながら名刺だけを置いて帰国した。後に旭川の㈱コーエキが扱っていると連絡が入り、まず機械を買う前にわが社と全く取引のない㈱コーエキを調べたところ当時の野田正宣社長の評判はとても良く、では一度会って相談しようと思ったことが事の始めであった。
 その間他のメーカーの機械を検討しなかったわけではなく、アメリカ、カナダを含めて色々と候補を検討した結果、ヘイノラ社とドイツのメーカーの2社に絞り込んだ。さらに両メーカーの情報を収集し最終決定したのはヘイノラ社と決め、本機と搬送選別装置も㈱コーエキが担当した。

―ヘイノラ製に最終決定した理由について
 選定に残ったもう1社のドイツメーカーは、納入当初はユーザーへのサービスや要望は良く聞くけれど、最終的にはトラブルが起き非常に訴訟問題が多く発生しているメーカーという情報も入ってきた。機械を購入してからメーカー或いはユーザートラブルにしても訴訟問題が起きることは会社にとって時間の浪費と不利益間違いなしですから、そのメーカーは除いて旭川のコーエキから購入となった。    
 決めたものの姫路から北海道は遠隔地ですから、メンテナンスは大丈夫かな、という一抹の不安は確かにありました。しかし、全く距離を感じさせずに思いのほか良く対応してくれました。今日まで大きなトラブルらしきトラブルもなく、まぁ順調と言ったところでしょう。ただトラブルが発生したとき何分止まるかが問題で多目にみて1時間以内にクリアできればトータルでみた損失は軽微とみている。
 オービスとコーエキ、ヘイノラの3社間で稼動状況をコンピュータでリアルタイムに把握できるトライアングル・コミュニケーションが取れている安心ネットワークがあります。ヘイノラ社も来日の折りはチェックもアフターもしてくれます。

設備投資効果は目に見えて向上している
―製材品の生産量について
 当工場の原木消費量は年間34万?、本社工場で10万?が今年10月の目標です。製品はわが社のキャッチフレーズ通り梱包用パレットメーカーへの出荷30%、輸出梱包材40%、電線ドラム20%と若干量ですが土木用矢板にも使われています。生産量として現在2シフト、従業員50人で月産26.000?、その内の3割程度はくん蒸や熱処理を施します。梱包材用としての製材歩留まりに関しては61%程度で、後はチップ用30%ほかバークやオガになります。
 一口に梱包用材といっても製品サイズは800種類に及びます、凄い品数でしょう。この種類を一本一本異なった原木から全てコンピュータがスキャンで読み取り、最良の木取りパターンを指令して生産ライン上を流れて行きます。これらは通常の全自動化したという製材機械ではとても成し得るものではありません。
 今回の機械導入によって当社がモットーとする品質の安定と価格の安定、そして納期へとつながりサービスの原点となっているのが製材設備です。

―総投資額25億5千万円の先見の効果は
 最先端製材設備を導入したことで製材コストの大幅削減を図り、収益向上を目指した姫路工場の操業によって、'08年当時の販売先は400社程度が、現在では680社と得意先が年々増えたことは新工場が寄与しています。
 他のことですが輸入先のチリ材が多いときは約40万?は入荷したものが、今では20万?程度しか入らなくなり、その上3ヶ月前にオーダーしておかなければならない。だから必要な時に間に合わせることができない現象がおきているようです。
 当社に発注すればジャストインタイムとは言わないまでも1週間以内には間に合わせる強みが、ここにきて環境厳しい時に投資した効果が現れ始めています。

―オービス社の事業について一言
 わが社のグループは、木材、ハウス、アミューズメント、不動産と4事業のビジネス展開を図っていますが、なんと言っても主力は木材事業です。決して多角経営を目指したわけではありません。木材事業の販売を通した延長線上に全てのビジネスが発展的に順次創られた結果のグループです。
 最近は、事業の中でも太陽光発電とかエコ関連事業とかに関心と注力を払いながら、まだまだ梱包用材生産にはやるべきことが多くありますから努力を惜しまない覚悟でいます。

⑦1号クォードバンドソーで角材に
なったものは、次の2号クォードバ
ンドソーで再割する。
ここで最大5丁取りまで製材できる。
2号クォードバンドソーで再割した
材は、⑧の3号クォードバンドソー
でさらに細かく小割する。
ここでも最大5丁取りの製材が可能
で同社の最小厚12㎜まで製材できる。
 3号クォードバンドソーの直後に、
4枚鋸を装備したギャングソーを配
置し、幅方向の製材を可能とした。
一般的なギャングソーとの違いは通
常のギャングソーを90度寝かした格
好になっており、丸鋸が水平に4枚
回転する。幅方向に最大5丁の木取
りが可能である。つまり最後のユニ
ットで、帯鋸で5丁取り、水平ギャ
ングソーで5丁取り、合計最大25丁
の製品が一度に製材できる。
 この機械構成は、細かい製品明細
が多い同社向けに特注で製造された
もので、世界に一台しかない特別機
である。

■導入の理由と主な特徴
・多品種製品オーダーに対応する製材ラインを柔軟に考案した。
・異なる原木径、形状を3Dスキャナーで正確に読み取り、多種
 製品リストの中から最適な木取りパターンを瞬時に作り出す。
・スキャナーで選択した木取りに基き全ての機械が自動歩出し、
 ライン上の全て原木の位置はコンピューターにより管理される。
・オペレーターは製材ラインに1名、エジャーラインに1名。自動化
 ラインの実現により、オペレーターは実際に機械の操作をするの
 でなく、オペレーター室でラインを監視することが仕事となった。
・ヘイノラ社はアフターサービスの体勢は安心かつ信頼できる。
 遠隔操作によりフィンランドのヘイノラ社から姫路工場の製材ラ
 インシステムを点検、修理も可能である。

⑥-1 メリーゴーランドシステム

⑫トリマー
木口をカットし、製品を定尺に揃える。

⑬ソーターブース
4系列のソーターラインのうち、
3系列にビンソーターを採用している。

  フィンランド・HEINOLA(ヘイノラ)社・製材ライン

NZ産ラジアータ松製材の最大手㈱オービスを訪ねて

⑥チップキャンター+1号クォードバンドソー
チップキャンターで原木の丸みの部分をチップに粉砕する。
仕上用丸鋸装着により、切削面の挽き肌が非常にきれい。
製材ラインには3台のクォードバンドソーが配置されて、それぞれ4枚の
帯鋸で切削する。1号クォードバンドソーは、原木から2枚もしくは4枚
の側板を取る。メリーゴーランドシステムにより、原木から太鼓材を再び
1号クォードバンドソーに通し、さらに側板を取って角材にする。

①原木盤台 製材工場のスタートとなる盤台に
12m、10m、8m、4mの原木をログローダーに投入
平均径36㎝、最小30㎝~最大60cm。

姫路工場事務所

原木はスキャナー通過後、水平鋸のホリゾンタルソー
までの④~⑧までがヘイノラ社による製材ラインであ
るが、全ての原木及び製材はコンピューターにより管
理され機械は全て自動的に歩出しされる。作業員は、
製材ラインを監視するオペレーター室にいるオペレー
ターただ1人である。

PART-Ⅱ 生産性に貢献する製材ラインの紹介

オプティカット用オートスタッカー
オプティカットにヴァイニッヒオリジナルの
スタッカーを採用。
これも日本初。2系列あるので異なる2種類
の製品を積み込むことが可能。

出荷を待つ各製材品と
納入先で製品になった
パレット
ドラム
輸出梱包

写真奥から原木投入 ヘイノラのライン及びエジャーからソータラインへ

⑭オプティカット450
ヴァイニッヒ社のオプティカットシリーズ。
最速の送材スピードで、長材をパレット用
にカットする目的で使用。
最速タイプの導
入はオービス1社のみ。


社名の由来 社名の「オービス(ORVIS)は、ラテン語で「創設
          者・出発点」という意味を持つ「origao」と「パワー
          ・効力」という意味の「vis」を組み合わせた造語。
          みなぎる活力で未来を創造していきたいという
          企業テーマを象徴している。

エジャーライン
1号クォードバンドソーで側板製材後、全てエジ
ャーラインで製材される。ラインは2台の機械が
配置されて、2ソーエジャーで耳を落し、次の4
ソーエジャーで最大5枚に小割する。最新鋭のス
キャナーを搭載し、側板1枚1枚に合わせた最適
な木取りを判断し瞬時に機械の歩出しを行なう。
ラインの最大スピードは毎分350mまで可能。

③VKバーカー
フィンランド・
バロンコーネ社製
世界唯一のバーカー専門
メーカーで知られている。
精密な機械制御で優れた
剥皮能力を発揮、耐久性
に優れた機械構造。
同工場納入バーカーは、
最大径90㎝まで剥皮が
可能

⑦ 1号クォードバンドソー

穏やかにインタビューに応えてくれる御輿社長

本編の制作に際し㈱コーエキ野田社長に案内をいただき感謝します。

写真・資料同社HPより

⑮防カビ浸槽装置
オートスタッカーで積込みした製品梱包は、
最後に防カビ浸槽装置で薬品処理される。
2梱包同時に投入可能なラインが2系列あり、
最大4梱包を同時に処理できる。

⑯熱処理装置
1基50?入り2基、1日3回転で
150?の処理が可能。(新柴設備)

御輿 岩男氏プロフィール 
  昭和13年5月10日
  広島県世羅郡世羅町生まれ
  趣味ゴルフ H.C 8

姫路工場概要
 
総面積 約10万㎡
 原木ヤード 4万3000㎡
 燻蒸ヤード   7000㎡
 工場棟      7500㎡
 製品置場  1万7500㎡
 緑地帯    2万5000㎡

WOODFAST '10-7

エジャーラインの
オペレーター

スキャナーで木取りし
た製材が一枚一枚パソ
コンに表示される。
木取りパターンの選択、
機械の歩出しまで全自
動化している。

⑤ログロテーター 3Dスキャナーで認識した
原木形状に合わせ、自動で最適なポジションに
回転させる装置。回転角度は1°刻みで.コンピ
ューターが制御。

⑨ エジャーライン

④ヘイノラ・製材ラインスタート

ヘイノラ社全景HPより

②玉切り装置 直径約2100mmの丸鋸で、
長尺の原木を玉切りする。製品オーダーに
応じて、3m、4m、5mにカットする

原木ヤード

⑩オペレーター室のオペレーター
ヘイノラの製材ラインを監視する作業員
はただ一人である。ラインは全自動なの
で、オペレーターはモニターに映る製材
の流れを監視することが仕事である。
またオペレーター前面にある数台のパソ
コンで細かい機械の数値設定や製品明細
の入力を行なう。

3号クォードバンドソー+ホリゾンタルソー