取材余話 大洲城(おおずじょう)


倉庫棟

事務所兼倉庫棟

大変いい機械です
 工場を案内してくれた石丸理事
は、新規に導入した共和キカイの
製材機について次のように語った。
 現在、挽いているものはヒノキ
材22cm径が約70%と、24cm上が30
%程度の割合で、長さは3mと4
m材を製材しています。

城内の一部

天守閣から肱川(ひじかわ)を望む、八幡浜官材はこの上流にある

写真上
移設の乾燥装置8基
(㈱新柴設備)
(エノ産業㈱)

製材A棟

写真=左半分が製材加工施設として新設、手前に肱川(ひじかわ)/右棟が事務所及び製品倉庫

土場

見事に加工施設に変貌/写真は肱川沿いの国道197号線から

製材A棟に装備した㈱共和キカイ製スーパー白山キャンターSHC-350

中温乾燥装置100㎥(新柴設備) 還流型バーク・木屑焚ボイラ 3tタイプ2基(大気テクノ㈱)

 愛媛県南予地域の製材業者5社で構成する八幡浜官材協同組合(愛媛県大洲市成能字大地原甲510-5、菊池正・代表理事=ヤマキ産業㈱社長、電話0893-50-1250)は、組合所有地にヒノキ生産全国一位の県産材を中心とする、共同製材加工施設を昨年7月に着工し、計画通り今年3月に加工施設がほぼ完成したのを機に再訪した。菊池代表理事(写真)は、県の担当者との立会い検査のため、代わりに理事の石丸修一氏(㈱イシマル木材工業社長)が工場内を案内してくれた。
   








ヒノキの蓄積量は日本一
 愛媛県は原木含めてヒノキの生産量は日本一と言われている。松山から南にあたる南予地方は特にヒノキが多く、同組は以前から国有林から素材を買い付けて各工場で製材品を生産することを生業としてきた。故に、名前も地名の八幡浜に官材を冠名して組合活動をしてきた。ただ官材とはいえ、この地域では素材が足りず止むを得ず近隣県からの仕入れも増えてきた。
 ここにきて、漸く民有林を含めて地元材が育ち、間伐材を含めて量的に出材できるようになった。しかし現状は、県森連等から仕入れた県内産ヒノキを組合員の各工場で製材・加工し、地元や関西圏、中部圏、関東に向けて販売している『安定した品質、価格、供給体制』を維持し、産地間競争の激化に耐えられるように取り組むには、各社が別々になっていては今後に望みをもてないのでは--との危機感もあった。
 そこで国、県、市の支援による「平成21年度大洲市森林そ生緊急対策事業」を活用し、工場を集約化することで効率的な生産加工が可能になり、製材品を安定して供給できるようになった。供給が安定すれば取引先からも信頼され、売上増につながる効果を期待したいところだ。また、県内の素材生産者も、供給先を確保できるという利点にもつながる。
 生産目標として、ヒノキ8割、スギ2割の扱いで、能力は年産6万㎥、製材ベースで同3万~3.5万㎥を見込んでいる。この地域での特殊事情として6m材を挽く産地として知られているが、6m材は間伐材では取れないし、量的にも減少傾向にあるという。販売については、組合各社の営業担当が従来通り担うが、新規取り扱いの問合せもきている。

加工施設整備の概要
 投資額約10億6700万円。1/2は「平成21年度大洲市森林そ生緊急対策事業」の補助金を活用してことし3月に完成し、来年4月にはフル操業を目指す。
 設備は新たに導入した製材機械及びモルダーやグレーディングマシン等と木材乾燥機4基。二期目に4基、移設乾燥装機8基と合わせると計16基となる。その内で中温域の大型乾燥装置1基、還流型木屑焚ボイラの導入も図った上で、トータルにスケールメリットを生かした事業展開を推し進めていくことになった。なお、各社で使用中の製材機械等の機器類は一部移設してリニュアールした製材ラインを再構成した。工場建物は5棟全ての躯体は県産ムク材約700㎥を使用した。
 この計画によって組合員5社の製材加工販売を一箇所に集約することができて、コストの削減と品質の安定化など、産地ブランドの活性化を更に高めたいとしている。集約に伴い、取扱い能力は高まり年間約6万㎥(原木換算)。売上高も現状5社の10億円から、来年には約19億円を見込んでいる。

■事業を推進する組合員5社(名簿順)
 有限会社下田製材所(下田義一社長)
 ヤマキ産業株式会社(菊池 正社長)
 有限会社松代産業(松代民夫社長)
 山一木材有限会社(松代繁吉社長)
 株式会社イシマル木材工業(石丸修一社長)
■組合及び施設の概要
 創業 昭和50年9月
 出資金 5500万円
 平成14年 現有地買収 面積 28,985㎡

共同製材加工施設が完成
              
八幡浜官材協同組合を訪ねて

●八幡浜官材から20分ほどで大洲市内にある大洲城について。
 大洲城は、鎌倉時代末期、伊予国の守護宇都宮豊房の築いた地蔵ヶ岳城(じぞうがだけじょう)が始まりといわれている。
 激動の戦国時代を経て、小早川隆景が伊予を平定した後、戸田勝隆、藤堂高虎、脇坂安治が相次いで城主となる。このころ4層4階の天守を中心とした本格的な近世城郭に整備されたのではないかと考えられている。
 元和年(1617年)米子から加藤貞泰が入城した以後、明治維新を迎えるまで加藤氏が6万石の城主としてこの地を治めていた。 明治維新後、幕藩体制が崩壊し、明治21年(1888年)には天守も取り壊された。しかし、棟の櫓は解体をまぬがれ、いずれも国の重要文化財に指定されている。城跡も県史跡に指定され今日も大切に保存されている。
 4層4階の天守は、明治期の古写真や「天守雛形(ひながた)」と呼ばれる江戸期の木組み模型など豊富な資料をもとに平成16年(2004年)に木造で復元したもので、重要文化財の台所櫓、高欄櫓とL字型に多聞櫓で連結し、複連結式天守と呼ばれる構えを成しており、これら全ての建物を観覧することができる。

モルダー(ヴァイニッヒ)と水分計、右は柱材ムラ取2面鉋~グレーディング(飯田工業㈱)

愛媛県大洲市成能

高欄櫓(左)と西多聞櫓(右)/天守閣/台所櫓

工場レイアウト

大洲城築城ジオラマ
 ジオラマは大洲城創建当時の様子を想定したもので、
ジオラマの人形は、一般公募により選ばれた皆さんを
モデルに製作している。   ジオラマ作者:南條 亮氏

板材仕上棟

チップを手に語る石丸修一理事

 生産量は、月20日稼動として柱材が約25.000本で、板材は
100.000枚が
1度に採れる生産性がとても高い、原木にして
約5000㎥の消費量です。ヒノキはスギに比べて硬いこともあ
るので、スギであれば問題なく生産量はアップするでしょう。
 作業員は4~5名で操業できることは、大きなコストダウ
ンにつながります。この機械のいいところはチップもオガ屑
も一度に採れるうえ、耳摺りもいらない、コア整理もいらな
い、という大変優れた機械です。
 機械は稼動して間もないことですから、多少のトラブルは
ありますが、クリアしていけばトラブルのない、いい機械に
なると思っています、と同時に操作要員が慣れることも必要
ですから。何せ期待している機械ですから、しばらくすれば
安定した性能を発揮するでしょう。

本機右側に板材ラインと奥に柱材の背割りと仕分けが一連の工程でできる

貯木場と奥に製材A棟

事務所/製品倉庫

*加工棟内機械設備(一部除く)=大森商機(株)納入 (愛媛・松山)

製材C棟

製材B棟

バーカー

ボイラ/乾燥装置

復元天守の木組雛形
 
雛形は、復元した天守の木組を10分の1に縮小して製作したもので、天守の骨組みにあたる柱や梁はりの組合せが忠実に作られ、土壁や屋根に隠れて実物では見えない天守の構造がよく解る。
寄贈:大洲ロータリークラブ
    株式会社 三宿工房
製作協力:大洲建設業協同高等
       専門学校

事務所棟及び製品倉庫

リングバーカー(石田エンジニアリング㈱)  製材機クリアシステム(㈱菊川鉄工所)移設ヤマキ産業  製材機(㈱菊川鉄工所)移設イシマル木材工業

写真左=高温乾燥装置
50㎥3基(㈱新柴設備)/
定量機(大気テクノ㈱)

WOODFAST '11-3

大洲市HPhttp://www.city.ozu.ehime.jp/
大洲城資料HP一部抜粋

ムラ取り2面鉋投入桟払い装置(大森商機㈱)

写真は昨年2月訪問当時の加工施設建設予定地

柱材仕上棟

養生棟

両端カットソーと自動3連結束機            モルダー(西丸工業㈱)                 板材桟払い投入装置