鹿沼木工合資会社の取材後、樽見社長が理事長を務める栃木県集成材協業組合を案内してもらった。
栃木県集成材協業組合を訪ねて
製品開発に重点を置くことを第一義に
栃木県集成材協業組合(栃木県鹿沼市磯町東川原123、樽見正衛理事長、電話0289-75-396、設立=昭和48(1973)年6月) 専務理事の鹿妻昭夫氏(写真)に現況を聞いた。
今は集成材の需要は徐々にですが、減りつつあることは否めないところです。東日本震災の復興は時間をかけて徐々に需要の影響も出てくるかと思っていますが、当てにする特需でなく、穏やかな回復需要の傾向になることを望んでいます。
集成材需要の動向も大事ですが、ここでは製品開発に重点を置くことを第一義に考え事業を進めているところです。国も木造化の方針を真剣に出してきていますから、その辺りでの期待もありますが、まだまだといったところがありますから、事業者側とすれば諸手を上げて歓迎したいところを慎重に捉えています。
この工場は、柱から小・中・大断面までの生産設備があります。年間生産量として約1万㎥余りです。主材料は輸入材と国産材を使っていますが、大断面に関してはスギ材となります。材料指定があれば指定材で集成することは設備的には何ら問題なくできます。現状の柱材はハウスメーカー協力のプレカット工場へ、それに柱、中小大断面などはゼネコンあるいは一般工務店への納入が主体の工場です。
現況の従業員は30名です。私は、製品は作らせていただいて、納めさせていだくという気持ちを大切に生産品に込めています。要は、ユーザーに喜んでいただくことが一番と、絶えず考えています。今後は国産材の重要拡大の一端を担うとか、地産地消といわれる地域材の有効活用を多目的に使用できる材料の開発も進めたいところです。
【製造品種】
平成18(2006)年10月 新JAS規格変更 認定番号JPIC-LT31
1.低ホルムアルデヒド構造用集成材(大断面)
2.低ホルムアルデヒド構造用集成材(中断面)
3.低ホルムアルデヒド構造用集成材(小断面)
4.造作用集成材
【取扱樹種】
大断面:米松・杉・カラ松
中断面:米松・杉・スプルース・欧州赤松・カラ松・米ツガ小断面:米松・エゾ松・サザンパイン・桧・米ヒバ・スプルース・杉・米ツガ
造作用:スプルース他
平成15年3月 ISO9001:2000認証取得
平成21年3月 ISO9001:2000認証更新
栃木県集成材協業組合:http://www.tochisyu.or.jp/
邸別に揃えていく製品
色別の組み合せによって間違いのない集成製品管理方法
集成用ラミナ












造作用集成材メーカーの鹿沼木工合資会社(栃木県鹿沼市口粟野1115、樽見正衛社長、電話0289-85-3111)を訪ねて樽見社長(写真)に概要を聞いた。
会社設立は古く昭和13(1938)年8月、当時の大蔵省専売局のたばこ工場が栃木県内には茂木と小山に2か所あって、その工場へ原料である葉たばこ保管用の樽および包装木箱に使うスギの木取り材を納入するための木工場を立ち上げた。が、戦災で平塚と水戸の両工場を失った。
戦後の混乱から漸く落ち着き始めた同24年(1949)7月、日樽工業として再建したのち、樽部門を分離した。同30年(1955)9月現在地に木工場を新設して素材の生産販売と建築製材及び製函業を操業。同37(1962)年から北洋材のエゾ丸太の選木を主材に建具用材の量産に着手、既製建具の産地鹿沼の礎になり、高級化に貢献した。
これら建具製品は、戦後復興期の住宅建設に支えられ順調に推移していたが、原木丸太の径が徐々に細くなり、端材が増え始め歩留まりの悪化をきっかけに、端材利用を考えて同44(1969)年4月に時代の先見性から集成材試作研究に取り組み、同11月に集成材工場を新設した。
化粧貼り造作用集成材に特化、本格的に取り組む
化粧貼り集成材は、主に柱や長押に敷居、鴨居、廻り縁など造作用に多く使われ始め、材料が端材だけでは当然足りなくなった。そこで集成用に米スギのラミナを輸入し量産体制は整い、品質の評価から大手ハウスメーカー2社と化粧貼り集成材および化粧貼り構造材のオーダーも増え、納入も順調に推移し始めた。しかし、ハウスメーカー独自に造作材の内製化が進み、同時に住宅の洋風化が顕著となり和室のスペースがことのほか減り、和室に用いる造作材の生産はピーク時からみて約三分の一以下に落ち込んだ。
中国製集成フリー板の輸入増が減収に追い打ち
同社のように、ラミナから集成加工を一貫してできる設備を持つメーカーは、この集成フリー板の輸入によって大打撃を受けている。今まで家具や据え付け家具、店舗内装などの業者は、集成材メーカーに必要なサイズを注文していたものが、このフリー板に取って代わられてしまった。
中国内の生産地は商社経由で入るので特定できないが、樹種はラジアータパイン、ホワイトウッド、スブルース、ツガなど色々とある。サイズは4300×550×厚さは25、30、35ミリなど、日本向けには需要の多い使い勝手のいいものに対応している。要するに基材に使う物だから安くて狂いがなければいいということで市場を席巻されてしまった訳だ。同社でもコストに見合うように、フリー板で済むものは使い始めている。
表面材はツガ、スブルース、ベイマツ、ヒノキと広葉樹系を突板にして化粧貼り仕上げにしている。造作材の中でも長押などの需要は全く減り、長押(なげし)を「ながおし」とか建具(たてぐ)を「けんぐ」と呼ぶ人がいる時代となり、そのことからも需要の減少は“推して知るべし”という。
地元小学校校舎と体育館を木工造改築に期待が
今、地域振興に期待を寄せている工事に、地元の鹿沼市立粟野第一小学校の校舎と体育館の改築工事を木造建築で建設する計画が、設計の段階ではあるが進んでいる。地元木工業者の一員として、工事に参加することができ、後世にいい形で建築物を残せればと願っている。
【会社概要】
営業品目
造作材用集成材、化粧貼り造作用集成材、化粧貼り構造用集成材、 天然木不燃ツキ板シート『簡壁シート360』、その他関連商品
資本金 2,800万円
鹿沼木工合資会社:http://www.kanuma-mk.co.jp

合資
会社
木工製品一筋に84年、鹿沼木工
を訪ねて
大断面集成材圧締プレス
機械装置の一部
機械装置の一部
地元小学校用に天乾中のスギ材
第1期分として約500㎥
4面プレス
中国製集成フリー板
加工形状のいろいろ
歴史を感じさせる工場
大断面圧締プレス
栃木県庁のエントランスホール全景《平成19年10月》
グレーディングマシンと目視でラミナを選別
出荷前の邸別ラック
中 国 製
フリー板
経営を圧迫する に対応する造作用集成材メーカー