第40回名古屋国際木工機械展/ウッド エコテック2011閉幕
技術優秀賞5点決まる
Woodfast-11.11
 昨今の一段と厳しい経済環境の中にあって、第40回目の展示会を開催することができました。偏に出品者を初め関係各位の尽力に対し心より厚く御礼を申し上げる次第です。当展は昭和27年、優良木工機械展の名の下に第1回を開催し、戦後の復興の歴史と共に歩んできました。木工機械の進歩の過程を発信し続けたメーカー主導の、わが国随一の展示会であります。今回展も来場の皆さんに必ずや満足していただける展示会になりますことを切に願っています。=写真は服部行男実行委員長
開会宣言
 技術優秀賞は3日に発表され、翌4日午後3時から贈賞式が交流センター特設ステージで行われた。受賞者には賞状と特製のブロンズ像が贈られ、その栄誉が称えられた。  この技術優秀賞は、木材産業および関連産業の発展に寄与する独創的かつ付加価値を高める優秀製品を顕彰するため、同展独自の制度「技術優秀賞」が1973年に創設され、今回で20回目となる。  その審査は、各業界の関係者や研究者などからなる14名の専門委員によって行い、個別書類審査、合同書類審査を経て、2日に行った最終審査である合同現物審査により次の5製品を技術優秀賞に選考した。
喜多山繁・東京農工大学名誉教授の選考基準

 選考は、@機械としての技術水準、A独創性、B経済効果の各ポイントを中心に評価した。機械としての技術水準は、品質、操作性、保守の良さはもとより、安全性や騒音、環境保全に対する考慮も含まれる。独創性は萌芽的なものであっても将来性があれば認めている。経済効果については、文字通りの経済効果のほか、資源の有効利用や廃棄物処理などの観点からも評価している。 受賞製品は以下の通りである。  受賞5社(五十音順)の製品講評(機種下のコメント)については、座長の喜多山繁氏が述べた。
山本ビニター株式会社
「高周波コンパクト加熱接着機“テクノアイロン」
 現場施工にも優れた、移動可能でコンパクトな高周波接着機であることを評価した。
喜多山 繁・東京農工大学名誉教授
木機展・名古屋2011を観て
川上から川下まで一貫した生産方式・機械の開発を
ブロンズ像について 
「アフロディーテ」ギリシャ神の一人。美と豊穣をつかさどる女神アフロディーテの誕生と人類の技術発展の喜びを兼ね合わせ万物より感嘆をもって祝福される。女神の手は、名誉を讃える月桂樹の枝を持ち、衣も軽やかに舞い伸び上がっていく形態とし、未来へのさらなる発展の可能性を予感させるような像とした。
(制作:亀谷政代司氏)
講評を述べる喜多山座長(中央)と後列左から受賞者の兼房梶A葛e川鉄工所、椛セ平製作所、宮川工機梶A山本ビニター滑e社の皆さん
株式会社菊川鉄工所
「マテライザー“マルチ”&“エコ”」
 間伐材や低質材の高能率製材が行えて、現在求められているニーズに寄与していること、機械操作の簡便性などを評価した。
兼房株式会社
「UFO薄刃鉋胴」
 独創的で、高い技術力によって開発された鉋胴で、高品質の切削面の創出、刃物材料の省資源性などを評価した。
テープカットの左から安居実、橋本恭典、服部行雄、宮川嘉朗、成田光将の各氏
 今回の申請製品はやや少なくその点では残念であったが、受賞製品はそれぞれ洗練された特色ある機械で、木材工業の発展に寄与する機械であった。ただ、受賞対象にはならなかったが、この他にも新しい簡便で緊着力の高い結合金具、クランプ機構の斬新なボーリングマシン、高い性能のダイヤカッターなども注目された。 そういう意味では、今後の発展が期待されるポテンシャルの高い機械が多かった。また、環境改善に寄与する産業として期待される木材産業がさらに発展するためには、木材資源の豊富な我が国の木材生産をさらに増強することも必要である。
 近年、きのこなどの特用林産物の生産額より下回った木材生産の低迷には、いろいろな理由が挙げられるのであろうが、川下であるこの木工機械の高い技術力を川上の木材生産力にも応用・増強して、川上から川下までの一貫した総合システム的生産方式や機械の開発をすることも、低迷打破に寄与することになるだろう。

                             
(右段へ)
株式会社太平製作所
「G40-B イーグルキャッチャー」 
 きわめて斬新なアイデアでラミナなどを横方向に圧締保持する機構で、その独創性、効率性などを評価した。
宮川工機株式会社
「高速羽柄3次元切断機カッター付きMPC-25K」
 羽柄材やツーバイフォー材などに対して多機能、多目的の加工ができ、現在求められているニーズによく対応している機械として評価した。
だから、この木工機械展に素材生産から搬送などの林業関係の機械や装置も今後、出展されることを願うものである。さらに、関連業界のニーズに応える新しい機械の開発、新技術の開拓こそ、当該産業の発展につながり、さらにはサステナブル*社会の実現に寄与するものである。名古屋国際木工機械展が、これからも新しい技術と情報の発信基地となることを心から期待したい。
*sustainable
出品者、入場者とも前回展を
上回る

 わが国では一番歴史の長い木材加工機械展で、通称“木機展・名古屋2011”の「第40回名古屋国際木工機械展/ウッド エコテック 2011」が11月2日から5日までの4日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された。  同展は、(社)全国木工機械工業会(東京都港区芝公園3-5-8、橋本恭典会長、電話03-3433−6511)と中部木工機械工業会(名古屋市中区上前津1-3-33、宮川嘉朗理事長、電話052-321-4470) の共催で、国内外の優秀な木材加工機械をはじめ、木質系廃棄物処理機器や関連製品等を一堂に展示・紹介、木材加工産業は勿論のこと環境産業における生産設備の合理化と生産性の向上に資するとともに、商取引の促進と貿易の振興に貢献を目的に、隔年で開催されているもの。 主催者発表によれば、出品者数は130社(団体・機関含む、前回展127社)、出品小間数543小間(同532小間)、出品国数8ヶ国(同9ヶ国・地域)、参加企業(日本121社、台湾8社、中国3社、インドネシア・シンガポール各2社、インド・マレーシア・オーストラリア各1社、アメリカ4社、ドイツ24社、イタリア12社、オーストリア4社、スペイン2社、スイス・スウェーデン・デンマーク・フランス・ベルギー・ルクセンブルグ各1社)。  会期中の入場者数は12,293人で、前回展の11,025人を上回った。今回の来場者は増えたものの、長年出展していたメーカーも今回は出展を見合わせたところも散見されるなど、業界の景況を物語っている。それらのメーカーに代わる新規の出展者もあったが、展示スペースの増加には至らず、前回と同様に「ポートメッセなごや」の展示ホール3号館の三分の二を使用するに留まった。 また、展示館内のみの出展社で、学研展示コーナー、特別展示コーナーなどを除いた出品社数は日本企業55社に対して、輸入機械・機器を取り扱う企業が25社を数え、国内メーカーが減少したのに比べ、特徴的なことだった。なお、次回は2013年秋の開催を予定している。  会期初日の2日、午前8時45分から交流センターエントランスホールでオープニングが催され、同展の伊藤正祥事務局長の司会で進められ、服部行男実行委員長(竃シ南製作所会長)の開会宣言とテープカットが行われた。これには服部行男実行委員長、宮川嘉朗同展会長(宮川工機渇長)、橋本恭典同展名誉会長(橋本電機工業且ミ長)、国内出品者代表の成田光将椛セ平製作所社長、海外出品者代表の安居実ホマッグジャパン且ミ長の各氏がハサミを入れ、開会を祝った。