ウッドファスト企画・主催の「インターツム&リグナ・ハノーバー2011視察ツアー」は、5月27日から6月4日までの9日間、インターツムからリグナ・ハノーバーへのAコースと、5月29日から6月4日までのリグナ・ハノーバーBコースの2コースの設定で行なわれ、所期の目的を果たして参加者全員、元気に帰国した。
29日、午前8時30分中部国際空港に集合したAコースのメンバーの江本木材産業㈱江本博幸社長・きよ枝夫妻、㈱大雪木工長谷川慶将社長、ウッドファスト酒井忠一の4名が、ルフトハンザドイツ航空737便に搭乗しフランクフルトに向けて10時30分テイクオフした。フランクフルトマイン空港には現地時間の午後4時に到着。約束のB1出口に待機していた通訳・ガイド役の光井裕人氏と会い、デュセルドルフのホテルUEBACHSに宿泊した。翌30日はインターツム視察のめデュセルドルフから列車でケルンに向かった。
Bコースは29日、午前8時30分中部国際空港に集合。ルフトハンザドイツ航空737便に搭乗しフランクフルトに向けて10時30分テイクオフ。定刻の現地時間3時30分にフランクフルトマイン空港に到着した。同便で到着したメンバーは佐藤木材工業㈱佐藤健右取締役、同・鎌田慎司氏、同・齋藤浩之氏、紋別市林務課中村雅俊氏(ただしこの4氏は到着後フライブルグヘ向かい、31日に合流する行程を取る)。㈱コーエキ野田正峰社長、同・小林広治氏、大森商機㈱大森雄社長、同・山本泰三氏、㈱名南製作所金原成人氏、同・佐藤弘亮氏の10名、待ち合わせ場所のB1出口に光井氏と先着の酒井が一行を出迎え、佐藤氏ら4名と一旦空港で別れて、宿泊先のゲッチンゲン駅前のホテルSTADT
HANNOVERへ向かった。
一行は、フランクフルト空港駅から、特急列車のICEは時速250km以上を出す、揺れの少ない快適さと車窓から見る景色も新緑鮮やかなパノラマを眺めつつ、約2時間30分で宿泊地のゲッチンゲン駅に到着。駅から徒歩3分もかからない至便な所にあるホテルSTADT
HANNOVERに、午後7時過ぎにチェックインする。ホテルには先着していた江本夫妻、長谷川氏らと合流。こうしてメンバー10名は、それぞれ異なる出発や合流であったが、明日からのリグナ視察に備え体を休めた。ホテルは駅の側でありながら、閑静で清楚な1919年建築の木造3階建てのクラシックなホテルであった。
翌30日8時30分ロビー集合で、「リグナ・ハノーバー」へはゲッチンゲン駅からメッセ会場駅まで約30分弱の列車通勤となった。メッセ駅は会場ウエスト1の入口に近いところに設けてあり、大変便利であった。
本稿は、まずインターツムについてアップする。
インターツムを熱心に見学
2011年5月25日から28日までの4日間、開催されたインターツムは、家具製造や内装材、材料、デザインをテーマとする世界最大の見本市。同展はケルン国際家具見本市と同様、すばらしい展開を見せている。参加企業は1.400社を超え(2009年は1.300社)、展示面積は15万2千㎡。特に歓迎すべきはエガ―、ズ―ドデコア、ラミグラフ、テクノセル、ファンダ―マックスなどの各社が、同展をフォーラムとしてまた利用したこと。このような企業が参加することで、インターツムが国際的な主要メッセである事を立証できる。5万人以上の来訪者が予想され、外国人ビジターの割合は約70%。金具類、表面材、特殊合板類、クッション材料、加工機械などの分野で市場をリードする企業の他に、多くの中小規模の企業も申し込みをしていて、これはインターツムの有名な多彩さと幅広さを当時から予想させた。
展示ホールの内容
ホール6
表装材、化粧板、ラミネート加工、木質材料、パネル、無機物質、エッジバンディングフィルム、表面処理加工、接着剤、エンボスシリンダー、合板は、以前からの出展者が中心。ズードデコア社、テクノセル社、インプレス社、ラミグラフ社、そして木質材料メーカーのエガー社、ファンダーマックス社が勢ぞろいするこの重点分野は、今回も多くの来場者を惹きつけた。
ファンダーマックス社の社長エールフリード・タウラー氏はこう語っている。「ファンダーマッ クス社にとって2011年インターツムは世界の家具産業の中で、私どものターゲットとなるビジターに訴求し、『イノベーション見本市』の中でも独自の新商品に目を向けてもらうために、理想的な枠組みとなる。私どもが新しい化粧板コレクションをインターツムの時期に合わせて発表したのは、それなりの理由があった。これからの方向を指し示すこの見本市で、私どもはインスピレーションを得たいと考えているが、同時にインスピレーションを与えたいとも考えている。」
ホール4.2
光と革新的な材料がテーマで、展示はこれまでにない内装への応用のあり方に重点が置かれている。既に地歩を固めた企業と創業間もない企業との絶妙の混在が、このホールの特別の魅力。このホールでは前回同様、若いイノベーティブなドイツ企業の見本市出展に対して、連邦経済省から特別助成金が与えられた。2回目の「innovation
of interior」プロジェクトで、建築家やデザイナーは新しい材料の開発や、それがどう応用できるか、いち早く見ることができる。2011年インターツムのプログラムと直接関連づけた形で、様々な重点テーマについて特別なプレゼンテーションが専用のイベントゾーンで行われた。
現段階(リリース発表時)で既にほぼスペースが埋まっているのは、コンポーネント&エルゴノミクス(半製品−キャビネット、キッチン、オフィス、組み立て家具用半製品)のホール5.2、ファンクション&パーツのホール7 とホール8(フィッティング、ロック、ビルトインパーツ)並びにマシナリー&テクノロジーのホール9(クッション・マットレス加工機械)。
ホール10.1
と10.2
コンフォート&ベッディング(クッション資材、アクセサリー、クッション家具用生地、レザー)の展示が行われ、インターツムが再びベッディングとクッション家具の世界最大のイベントとなります。ネイチャー&インテリアのホール5.1(自然素材−木材、ベニヤ、フローリング、インテリア)では、インターツムが内装分野で如何に優れた能力を持っているかが
証明された。見本市全般、特に地方のメッセなどでは展示スペースの縮小傾向が認められるが、同展は逆に展示スペースが拡大された。この見本市の意義が高まっていることがはっきりと示された。
インターツムでは家具製造と内装に関する全ての製品を見いだすことができる。全てが一つの会場に集められ、各製品を重点的に提示することで、ビジターには密度の濃い展示になっている。そして開催時期も適切なタイミングで計画されてた。この魅力的な見本市では、世界130カ国から集まる非常に専門性の高いビジターに、世界中の新商品が紹介された。
世界の家具市場の動向
家具の世界市場は現在、メーカー販売価格ベースで2,765億ユーロの規模。取引は世界的に相互関係を強め、物の見方はグローバルになってきており、国内向けの生産が減り、輸出向けが増大しつつある。市場開放の進展、つまりは輸入と消費の関係は、2004年まで急速に増加したが、2005年以降は勢いが落ちている。いま主に家具を輸入しているのは米国、ドイツ、イギリス、フランス、カナダなど、西側先進国。2007年までは米国が世界の家具取引の牽引車だったが、2008年からは勢いが衰えてきた。2008年、2009年の大幅な落ち込みを経て、2010年には下げ止まることが予想され、本年からは米国家具市場が再び成長に転じると見込まれている。
他方、中国が世界で最も重要な家具輸出国へと成長。中国への家具輸出は1998年の15億ユーロから2009年の197億ユーロへと、10年の間に急成長を遂げた。このトレンドは今後もしばらく続くと思われる。
輸出入について
ドイツの家具メーカーではこの数カ月、明らかに輸出が伸び始めている。昨年は国外取引
が15%落ち込んだが、2010年1月-7月期で国外売上は8.3%伸び、45億ユーロと増加した。この上昇トレンドはほぼ毎月続いてる。中でも、ドイツ家具産業にとって重要な市場であるフランスやスイスへの輸出が、それぞれ16.3%乃至9.1%と再び大きな伸びを見せたことは喜ばしい。特筆すべきは中国(+71.4%)、韓国(+134%)、アラブ首長国連盟(+31.3%)などのアジア諸国が、これまで水準が低すぎたきらいはあるものの、最高の伸び率を見せていることで、今後輸出を伸ばす上で、重要性を増しつつあるこれらの市場に大きな可能性が存在することが示された。ドイツへの家具輸入は2010年1月-7月期、15.1%増加して51億ユーロと驚くほど活発だった。
中でもアジアからの輸入が平均を上回って急増し(+22.2%)、中国(+26%)はドイツ向け家具輸出で既に第2位に上がっている。
EU圏からの家具輸入は平均以下の+13.2%に留まりました。この地域で力強く伸びたのはポーランド(+17.5%)、チェコ(+37%)、ルーマニア(+38.1%)など東欧諸国からの輸入であった。
2011年‐住まいのトレンド
住まうということは生きるということであり、生きることは変化を意味する。人間に何が必要で、何が期待されているかは常に変化し、身辺に置かれる物はこれに合わせてゆかなければならない。住まいの領域では常に多くが変化してきた。急速な変化もあれば、緩慢な動きもあった。また持続的な変化もあれば、直ぐに消え去ったものもあった。
新しいミレニアムに入り、社会経済、また政治においても新しいテーマが人類の心をとらえている。個の時代、モビリティー、健康などの社会のメガトレンドが、やはり我々の業界にも影
響を与えていて、特に今は「ネーチャー・自然」というメガテーマが目立っている。人々は世
界の資源問題に敏感になってきている。家具は寿命の長い製品で、使用済みのものを完全に再利用しようとするのが「クレードル・ツー・クレードル(ゆりかごからゆりかごまで)」の考えだ。「クレードル・ツー・クレードル」とは、ゴミとして埋め立てたり、焼却したり、質を落としてリサ
イクルするのではなく、使われている材料をほぼ100%家具材料として回収しようというもの。材料は繰り返し新たに利用されてきた。ヨーロッパの家具メーカーでは、既にこの有意義な考えを採用しているところもある。
家具製造における現在の動きを俯瞰すると、主に3つのポイントに重点が置かれていることがわかる。良いデザイン、最高の品質、そして若干の機能。機能とは使用の目的が達成できるか、快適に使えるかということと同義だ。例えば、ソファーの背もたれを自由に調節できるリクライニング機能、タンスの扱い易さ、引き出しの滑らかな出し入れ、電動モーターによるマットレスの位置調整などが挙げられる。しかし、どれだけ多様化しようと、好んで求められる家具やインテリア製品がある一方、簡単に手放されてしまうものも常に存在する。
最近の主な動向
変わらない点をリストアップ。
◇クッション家具や箱物家具は圧倒的に白が主流。
◇壁には薄型テレビ、横長のサイドボード、ハイボ
ード、ローボードの組み合わせ。
◇キッチン・ダイニング・リビング空間の一体化。
◇紫系のカラーで気品のあるアクセント。
◇壁に寄せずに置くため、裏側も美しい家具。
◇リクライニング式クッション家具。
◇ウォークインクローゼット。
◇ロココ調の模様、ビロードのような肌触りでレリ
ーフのような表面の家具用表地。
◇ファッションと家具の出会い。ヨープやエスプリ
家具のようにライフスタイルを保証する家具。
◇バイオアルコールを使う火のインテリアや暖炉。
◇ゆっくりとくつろげるダイニングチェアー。
◇長方形のダイニングテーブル。
◇ガーデンキッチンとガーデンシャワー。
◇IH
調理器、省エネ電化製品、蒸気調理器。 新し
い要素は?
◇リビング家具やラウンジ家具のような雰囲気のガ
ーデン家具。
◇寝室と浴室を一体化させたプライベート・スパ・
オアシス。
◇濃色の木材。好んでガラスやステンレスと組み合
わされる。
◇表面のナノ加工。
◇「クレードル・ツー・クレードル」を目指す高級
グリーンライン家具。
◇アイキャッチャーとしての照明。
◇住まいの中心になるキッチン。上下の収納棚の間
にガラスパネルや鏡、把手のないパネル、棚の照
明、床から浮かせた下部の収納棚、横になったり
くつろぐために座る場所を作る。
◇自然色と鮮やかな色、ブルーも。
◇カーペットの模様が床材へつながってゆく。
◇小花模様やかぎ網手芸のような、「お婆ちゃん」
風の家具用表地やアクセサリー。
◇キッチン、棚、サイドボードにLED
を使った大胆
なカラーアクセント。
◇リビングが本当のプライベート空間、マッサージ
椅子を備えた安らぎの空間に。私たちは家具・イ
ンテリア業界に明るい将来を見ている。空間を思
いのままに作り上げる手段としての家具の必要性
と需要は、世界中で今後大きく拡大するだろう。