
【5日(水)の詳報】
1.PONSSE社副社長/フィンランド共和国フォレスター :ノルベルト・シャルクス氏より話題提供
<はじめに>
今日の講演は、フィンランドでどのように現在伐採をしているか、それをどのように日本に応用できるか、ということについてお話しします。
そのうち、日本の傾斜にどのように対応できるかということを講演の中でお話しします。
そして、これまで日本の山を見てきて、現在そしてこれからの機械化について、機械の大型化が将来必要になるということについて説明しようと思います。
<フィンランドの森林・林業の概況>
日本とフィンランドの森林の状態を比較すると、森林面積はフィンランドと日本では似ています。(日本:2,500万ha、フィンランド:2200万ha)
面積は似ていますが、蓄積では日本がフィンランドの倍あります。(日本440億㎥、フィンランドが220億㎥)
日本では毎年1,900万㎥しか生産していませんが、フィンランドでは5,000~5,500万㎥も生産しています。
日本では4,000台の機械がありますが、フィンランドでは3,500台です。
両国間で生産性に大きな開きがある事が分かります。
フィンランドでは年間5,000~6,000万㎥の伐採をしています。 昨年2010年は4,800万㎥伐採され、約600万㎥は切り株や枝などのチップ生産になっており、バイオマス用の生産が徐々に増えてきている状況にあります。
フィンランドでは伐採の2割が皆伐、8割は間伐となっています。
伐採方法では、フィンランドでは99%が機械で行っており、そのうち100%がハーベスタを利用したCTLシステムです。
電柱などに使う木などは短幹にせず全幹で生産しています。CTLシステムの典型的な機械はハーベスタとフォワーダのコンビネーションで行います。
ハーベスタが伐倒、枝払、測尺、造材を行い、それをフォワーダが運材する方法で100%行っています。
フィンランドでは素材生産業者が約1,300件あります。1980年代にフォワーダが多く使われ始めましたが、ハーベスタはまだ台数は少ない状態でした。徐々にハーベスタが増えてきて、最終的に現在はほぼ同じ台数になってきています。
そして、現在はハーベスタ+フォワーダのCTLが100%行われている状況にあります。
フィンランドではハーベスタを自走することは希です。ほぼ全ての素材生産業者は搬送用トレーラーを所有しています。
フィンランドの場合は一回の伐出面積は1~2haが平均的で移動回数が多いため、トレーラーを各素材生産業者が所有しているのが普通になっています。
<機械のサイズについて>
フィンランドのハーベスタは小型が5%、中型が50%、大型が44%、超大型が1%となっています。Beaverは機械サイズでは中型サイズに属します。
フィンランドでは日本より径の小さい木が多いですがフィンランドの44%は小径木でも大型の機械を使っています。
その理由は、大型機械は間伐も皆伐もでき融通が利くからです。
そして、北海道では大型を検討した方が良いと考えます。大型のハーベスタのほうがタイヤ幅も広く、雪や氷の中での安定性が中型よりあります。
フィンランドのフォワーダの機械サイズは、小型が5%、中型が34%、大型が57%、超大型が4%あります。Gazelleは小型に属します。
フィンランドでは大型を使用している業者が多いです。
北海道の現場を見ると、傾斜地に対応するのには大型のほうが良く、滑りやすい氷・雪の状態にも対応します。
<CTLによる伐出方法>
フィンランドでは5ha以上の伐出作業はまずありません。
フィンランドでの作業の仕方は次のようになります。
作業範囲の外縁の木にリボンで印を付ける→最初にメインの作業道をハーベスタで作っていく→その作業道から直角方向に作業道を作っていく→土場は林道に近い場所に作る→フォワーダは林道に入って林道に損傷を与えないように土場の横(林道と逆側)で積み下ろしする。
沼地などがあれば作業道は避けます。
ハーベスタのリーチが10mなので、作業道の間隔は20mとなります。
造材後の材を作業道の両脇に置いていき、フォワーダで運材するのがフィンランドのやり方です。
通常は枝払いした枝をハーベスタの前方に落とし、その上をハーベスタが走行することで土壌を保護します。
<伐出計画について>
フィンランドでは計画時に3人の人が作業方法を決めます。それは、所有者、材の購入者、ハーベスタのオペレーターです。
購入者はどの木を買いたいかを決め、その図面を所有者に提案します。
どのようにそれを伐出していくかの計画はオペレーターがします。
伐出計画を立てる人は必ずハーベスタの動き、操作性、安全性を熟知している人がやらなければいけません。もし日本で別々の人がそれをするならば、そういう機械の動きが分かって計画することが重要です。
将来ハーベスタを操作する人と一緒に、伐出順序を計画することが重要になってきます。
この作業道はハーベスタで作りながら進めますが、第2回の間伐でも使うし、第3回、最後の皆伐の時も使うよう計画されます。
<データ測定について>
ハーベスタのオペレーターは生産量を確実に把握する義務があります。
フィンランドではハーベスタで自動測定し記録しています。
ハーベスタの材積の測定誤差は法律で±4%に決められていますが、林業会社では±2%で規定しています。
フィンランドでは材の4分の3がハーベスタで測定されています。
日本では人が測定していると聞いていますが、フィンランドでは全くされていません。ハーベスタのデータの活用方法ですが、ハーベスタで測定したデータがメールで製材業者など必要なところに伝達されるシステムになっています。
材を取り扱う業者が森林の状態や伐出方法についてオペレーターに対してメールで即時に把握できます。書類でのやりとりはしていません。機械の稼働状況や作業状況まで管理・伝達できるシステムが構築されています。
このシテムによれば急に途中でいろいろな状況や必要量の増減に対し即時に現場に伝えて変更することができます。
さらに、状況に応じて、残りの積み込み量などの状況が運送業者にも即座に伝えられて動かせます。
全てのハーベスタはGPSが搭載されています。ハーベスタのオペレーターが自分の位置を正確に確認するためです。
フィンランドでは森林の境界線がはっきりしておらず、湖が点在していたりするので、事故を避けるために位置を把握できるようにそういうシステムが付けられています。
<アタッチメント>
PONSSE社にはハーベスタ以外にもアタッチメントがあります。整地用アタッチメント、施肥用アタッチメント、小径木を一度に束ねて造材するアタッチメント、枝葉を集めてバンドでコンパクトに縛るアタッチメントなど、全て機械化されています。 <CTLシステムのメリット>
CTLシステムは一人で機械一台操作でき、シフト制をとれば休むことなく機械が動かせます。
フィンランドでは通常1シフトですが、中国では24時間3シフトで機械をフルに動かしています。
また、通常日本では年間稼動時間1,000時間と聞いていますが、ブラジルなどでは3,000~4,000時間使っています。
材積あたりの生産コストを下げることが目的なので、現状では輸入材のほうが非常にコストが安いことになっています。
フォワーダは荷物を運ぶ機械ですが、材をフォワーダで運ぶことの利点は材に対しダメージが最小限に抑えられるということです。
材へのダメージを最小限にすることで製材量を最大にすることができます。材を森林の中を引きずって出すことに比べフォワーダに乗せて出すことは地表に対するダメージも最小限に抑えられます。
全木・全幹で移動する場合より、短幹のほうが土場面積も有効に使えて効率が良いです。
CTLシステムを使うことによって、生産性を高めコストを下げることができます。
ハーベスタは日本で現在16,000㎥/年ですが、フィンランドでは35,000㎥/年です。
フォワーダでは8,000㎥/年ですが、フィンランドでは30,000㎥/年です。
日本でもCTLシステムを採用することによって、生産量を何倍にもできます。
材積あたりのコストを下げるための一つの方法は機械の稼働率を更に高めることです。
高価な機械なので先行投資がかかります。それに対してコストを下げるためにはこの機械を最大限に活用することが重要になります。
昨日ご覧になったように、キャビンも安全性の高い設計をされており、操縦席も操作性が良く、オペレーターが心地よく仕事ができるようにできています。
それに加えて、現状の日本の作業についても、森林内のダメージを最小限にできます。
機械の台数を減らして効率を上げることのできるCTLシステムが最高の効率のあり方です。
木に触れる回数を減らすことが一番良いのです。
<日本の斜面への対応について>
これから傾斜対応についてお話しします。
斜度20°までが確実に作業できる範囲です。横への傾きの場合は10°までです。
作業時は通常等高線方向には作業しない前提です。
機械は常に斜面方向に動かなければなりません。常に林道に対して直角に上下します。
フォワーダを操作する場合は上から下に移動して積み込み、下に土場を作る設計をした方が良いです。
プランナーは機械の動きを前提にプランすることが重要になります。
ハーベスタで道を作りながら作業するので、ブルドーザーやバックホウは必要ありません。
ハーベスタは上から下に移動して作業した方が、視界がよく安全で作業効率が上がります。
ただし、8輪のほうが6輪より登坂力、安定性も優れているので、上りでも作業できます。
登坂の時も下る時もボギーバンドが重要な役割をしています。
また、クレーンがバランスに重要な役割を果たしています。そのように設計されています。
キャビンのシートは常に水平に保たれるようになっています。
ハーベスタはフォワーダより急傾斜に対応できます。フォワーダが行けないケースも出てくるので搬出方法を考えなければいけなくなります。
フォワーダは空荷で上がり、積載時に下がる方が良いです。
ハーベスタによる地表へのダメージは少ないですが、フォワーダは何度も往復して地表にダメージを残す可能性も高いです。
伐倒する時期も、フォワーダができるだけ地面を痛めない時期を選ぶことが重要です。積雪時に行えば地表への損傷がかなり少なくて済むので、プランが重要です。
フィランドでは沼地などで地面が柔らかい場所が多いので、伐出は冬期をメインに行っています。
20°までは通常の作業範囲、30°までは条件がよければ作業可能です。
日本の傾斜では、32%の森林が20°に収まっています。20~30°では26%です。よって、資料の数値上は半分以上の地域でCTLシステムが適用できます。
30°以上の時は機械後方にウィンチを付けて車体を支持して使っている国もあります。
<日本での機械の大型化の必要性について> 日本では森林面積は1951年以来変化がなく、ずっと2,500万haです。 一方、この期間に蓄積は増えてきており、人工林では256㎥/haになっています。フィンランドでは伐期を迎えている森林は200㎥/ha程度です。
これからわかることは、森林面積は同じでも木の蓄積がどんどん増えているのが日本の現状です。
もっと伐らないと木の年齢が上がっていき、10年以内に60%が50年生以上になります。
1齢級から7齢級(35年生以下)が5Mhaあり、BeaverとGazelleでは対応できない9齢級以上(41~95年生)が5.3Mhaあります。
Beaverでは既に現在でも小型すぎ、8輪の大型の機械が今の状況から望ましいです。
6輪より8輪のほうが安全性も高いため、今後機械化する上で非常に重要です。
(休憩)
2.意見交換会(コーディネーター:森林総合研究所北海道支所 佐々木尚三氏)
話題提供では、機械サイズ、傾斜、伐出プラン、検寸・IT の4つの大きなテーマがありました。各テーマについて、会場からの質疑を中心に意見交換間を進めたいと思います。(佐々木)
急傾斜地の場所では機械化は無理だと思っていたので参考になりました。機械のサイズと冬期に林地にダメージ与えないようにとのことで進められているので、当地(美幌)では冬場は失業者が出るので、作業ができるのは朗報だと思います。しかし、冬山は安全にできるかどうか、林道を雪で作るのかどうか、教えていただきたいと思います。美幌では2~3mの積雪もあります。
Ø冬期に深い雪の条件で作業をするのは危険を伴います。特に2~3mの積雪では非常に危険です。シベリアでそういう条件で作業しているところがありますが非常に危険です。時期を選ぶという意味で、地表を守るために雨期には作業を行わない、乾燥した時期に行う、ということが求められます。そういう意味の1つの例として冬期とお伝えしました。地表を守るためにどちらの条件がより良い時期かを選ぶことが重要です。大型機械の方が、地上高が高くタイヤ幅も広いため深い雪に対応しやすいと考えています。それにプラスして正しいチェーンのタイプを選ぶことでさらに安定性を増すことができます。(シャルクス)
今の質問について、冬期のほうが作業条件が良いと私は思っていたのですが、冬期に作業されている事業体の方はいかがでしょうか。(佐々木)
Ø2006年からCTLシステムで作業していますが、ウェットシーズンより積雪期のほうが行いやすいです。等高線方向でも積雪が深いと横滑りしづらいし、圧雪されて傾斜も感じづらいためです。1m以上の積雪は経験していませんが、1mまでは行いやすいと思います。(大澤木材(株)・大澤)
Ø積雪時の作業道については、機械の重さで圧雪されるので、ただ走ればよくなります。ただし、積雪時の機械伐倒時に、切り株が雪で隠れているので、その高さ以上に積雪があると危険があるため、作業を避ける方が良いと考えます。(シャルクス)
佐藤木材工業のオペレーターさんがどうでしょうか。積雪時作業について、また、機械サイズについてもご意見をお願いします。(佐々木)
Ø伐根の高さは気になりませんが、夏期より積雪期のほうが伐根の高さは10~15cm高くなります。機械サイズについては、前の現場はカラマツでアームを延ばして伐倒したら機械バランスが持っていかれた経験があります。そこくらいの木だったら機械は少し小さいように感じました。(森高)
ØフォワーダはBeaverの後をトレースするように動きますが、Beaverと地上高が違うので積雪時の作業は簡単ではありませんでした。また、もっと大きい機械を入れるなら大きい道も必要ではと思います。(村谷)
機械の大型化とともに、造林作業の機械化も並行して進めていく必要があると思います。CTL以外の機械はどうなっているか教えてください。(下川町森林組合)
Øフィンランドでは、機械の大型化は全て作業効率のため、いろいろな作業に使いたいためです。植林は天然更新の方法をとって皆伐しています。1haに何本か天然更新に適した木を残して、次の世代につなげていきます。この方法では土の改良などが要・不要のケースがあります。天然更新ができない状況の場合は、約5年以内に植林します。天然更新できないケースの場合、種や苗木を植えたりしますが、その場合耕耘のアタッチメントにより土地を均して再生します。枝打ちしてそれを地面に落とすことである程度土地の再生ができるのが現状です。現在問題になっているのは、枝をバイオマス利用せずに土地に返すのが良いのかどうかで、研究者の間で議論になっています。フォワーダをフォワーダだけで使うのではなく有効に使うために様々なアタッチメントを作って提供しています。(シャルクス)
CTLへの応用という点で、道の付け方や傾斜への対応について議論したいと思います。ご質問・ご意見はいかがでしょうか。(佐々木)
急傾斜で直線的にハーベスティングするとのことでしたが、メイン道では切り土の法面ができますが、林内に進入する時にはどうすればよいのか、教えてください。(大澤木材(株)・大澤)
Ø直角が理想型ですが、必ずしも直角にする必要はありません。オペレーターこそがマシンの動き方を知っているのでオペレーターがプランニングに関わる必要があります。(シャルクス)
Ø最初に斜めに入ってその後直線に行くのが良いかと思います。日本でそれができればやっていきたいと思います。(大澤木材(株)・大澤ストリップロードという新しい概念が示されていますが、行政関係の方からコメントをいただけませんでしょうか。(佐々木)
造材現場を担当しています。専用機のため高性能ですごくスムーズに性能を発揮するすばらしい機械ですが、性能発揮のためには縦方向に動くのがよいのでしょうが、機械が動く区域を設定しないと性能を発揮できないと思います。機械で作業できないところも合わせて森林整備しているので、そういうところをどのように処理するかが永遠の課題だと思います。CTLにより機械でできることは機械化を進めていきますが、人員配置等も含めてその辺の線引きをうまくしないといけないと感じています。(道有林)
ハーベスタが作るストリップロードはブルドーザーが入って作るような道ではなく、機械走行路(マシントレイル)ということでよろしいでしょうか。作業路と言うとどうしてもブルドーザーで作る道というイメージを持ってしまいます。(道立林業試験場・木幡)
Øストリップロードはハーベスタで作られその後をフォワーダが使う道です。(シャルクス)
昨日フォワーダだけが走っていた道は何というのでしょうか。(佐々木)
Ø昨日のフォワーダだけが動いていた道はメインストリップロードと呼びます。基本的にはハーベスタ、フォワーダの通り道がストリップロード、搬出路はメインストリップロードです。メインストリップロードとストリップロードは搬出のトラックが入らない道です。(シャルクス)
機械サイズとストリップロードの幅については何かルールがあるのでしょうか。(道立林業試験場・木幡)Øハーベスタのサイズによって最初の間伐時に小型の機械を使えば幅は狭いし、Beaverのような機械が入っていくと3.5~4mが大体の幅となります。大型の機械になるとそれよりも広くなるケースもありますが、3.5~4mが概ねストリップロードの幅です。Beaverのタイヤ幅とその上のモデルの幅は、タイヤ幅だけで40cm程度の差があるが、3.5~4mの幅には入る。(シャルクス)
日本でハーベスタのオペレーターに選木権限を持たせるにはどういう問題があるでしょうか、ご意見をいただきたいと思います。(佐々木)
オペレーターの能力を評価する仕組みがないと任せられないかと思いますが、フィンランドではどうでしょうか。Øフィンランドではオペレーターになるための正式な資格試験などは要求していません。世襲の素材生産業者もあります。20の森林関係の専門学校がフィンランドにはあります。そのうち8校は機械の操縦、メカニックについての専門知識を勉強できます。16歳になって中学校卒業後、3年間のプログラムで操縦とメカニックのプログラムがあります。その他に社会人コースもあり、数ヶ月から9ヶ月までのコースがあります。このコースは実地と学科があるのでかなり費用はかかりますが、フィンランドで森林関係の機械のトレーニング費用は医者の次に高い費用がかかると言われています。政府から生徒のために年間2万ユーロ補助されています。この学校を卒業することが資格になります。イギリスでは機械の種類ごとにテストがあって資格がないと操縦できないような制度になっています。(シャルクス)
PONSSE社でもプログラムを持っているそうですが、それについて少し教えていただきたい。(佐々木)
Ø事前に、機械に関するメカニックおよび操縦訓練を義務づけています。費用はかかりますが販売の前に必ずトレーニングされた人間が機械の世話をすることを全ての国で義務づけています。(シャルクス)
検寸の話しをしたいと思います。日本では人が検寸するケースもありますが、いかがでしょうか。(佐々木)
PONSSEのH60eは誤差が少ないです。マーケットに送り出すのにマイナスの誤差は許されないので、測尺調整はプラス方向に動きます。3.65m+のりを10cm付けると、3.8~3.85mでもマーケットで許容されています。マイナス誤差は許されないのが実態です。(大澤)
Ø正確な長さに切る設定ができるわけですが、細かい精度を保つためには時々に調整することが必要です。(シャルクス)
Ø誤差は、長さの誤差ではなく材積の誤差のことを言っています。PONSSEで測定できるのは全材積、円柱状材積です。末口二乗法への対応は現在依頼中です。((株)新宮商行・安部)
仕分けは土場で行うのでしょうか、積み込み時に仕分けるのでしょうか、また、バイオマス利用の林地残材はどうするのか教えていただきたい。枝葉を敷いて行くとのことでしたが敷いたものもバイオマスとして使うのでしょうか。
Ø仕分けについては、状況によります。十分な量があれば選別して種類ごとに運べば良いですし、量が十分になければ一緒に運んでから分ければ良いと思います。ハーベスタには材をマーキングできる機構があり、フォワーダオペレーターが簡単に種類を分かるようにしています。基本は分けて持って行きますが、混ぜて持って行くケースも出てきます。最近はバイオマス利用で全て再生利用しようという考え方があります。敷いた物は山に返します。敷かずに脇に置いて使う物もあります。木の種類によって使うかどうかを決めているのが現状です。どちらをするかは1回目の間伐は敷いて2回目はやらないなど、ケースバイケースです。(シャルクス)
最後にひとことシャルクス氏からコメントをいただき、本日のまとめとしたいと思います。(佐々木)
Ø私は、ここにはPONSSEの立場ではなく、林業工学の専門家として来ています。ここではCTLが効率的に確実に使われると思っていますが、一つの方法だけが正しいとは考えないで欲しいと思います。初来日から12年経っており、九州から北海道まで見て状況は分かっているつもりです。いろいろな状況に応じて付加しなければいけないものもありますが、それさえすればCTLができます。考え方を変えるのが重要です。日本以外の国はCTLが積極的に取り入れられており、日本が最後です。CTLにしなければコストダウンできないし、することで輸入材に対する競争ができると思います。(シャルクス)
【4日(火)の詳報】
1.開会
2.主催者挨拶:網走西部流域森林・林業活性化協議会会長 宮川良一紋別市長
・本日は、先進林業機械を活用した作業システム現地検討会に、多くの皆様にお集まりいただき御礼申し上げます。また日頃より国・道をはじめ、皆様には当市への支援をいただいておりますことに御礼申し上げます。
・林業を取り巻く状況は依然として厳しい事情にありますが、環境意識の高まりなど追い風が吹いています。昨年度の法整備により公共建築物での木材利用が進むことをチャンスととらえ、国産材製品の供給できる体制を整えていくことが重要と考えております。
・また、森林整備による二酸化炭素の吸収と木材の適切な利用による二酸化炭素の固定により、持続可能な森林経営を実現し山村地域が活性化されればと考えております。
・当市では森林認証制度を活動の中心としてきました。本年度末には認証面積は、流域の森林面積の83%、32万haに達する見込みです。川上の体制が整ってきた状況で有り、認証材供給システムの構築が急務と考えております。
・本日このように大勢のみなさんに導入された先進林業機械によるシステムをご覧いただき、本日の検討会の成果が日本林業再生の一翼を担うことになることを期待しております。本日は誠にありがとうございます。
3.室内プログラム
①「全国に導入された先進林業機械の紹介」:株式会社自然産業研究所 研究員 石橋啓史
<講演要旨>
・みなさまおはようございます。自然産業研究所の石橋です。
・先進林業機械とは、高性能林業機械のうち、先進的なものを指しています。一つ目として、ヨーロッパで実績があるが、国内で導入されていないもの、国内開発機ではこれまでにないコンセプトで開発されたものが先進林業機械です。
・先進林業機械は、林業用に開発されたベースマシンであることがひとつの特徴です。また、機動力があること、ハイパワーであること、多機能であること(複数のアタッチメントなど)も特徴です。
・先進林業機械の導入により、作業効率・生産性の向上だけでなく、コスト削減、労働環境の改善、環境保全の効果があります。収益性の向上と働きやすさにより、林業の魅力が高まるといえます。
・昨年度林野庁補助事業で全国11地域に導入された機械を紹介します。
・海外機械については、海外で実績があるものについて国内で導入し適応性を検証すること、国内機械については、機械の完成度を高めて普及を促すことを目的としました。
・作業システムは、①トラクタ・ウインチ/スキッダ・ウインチ、②ハーベスタ・フォワーダシステム、②架線系システム、④その他の4つのシステムに整理できます。
・①トラクタ・ウインチシステム/スキッダ・ウインチシステムについては、木寄せから集材までを1台でできます。今回導入された機械のメーカーはドイツが主です。機械の特徴としては、走行スピードが高く、小型特殊としてナンバーを取得すれば公道の走行ができます。高性能リモコン式ダブルウインチ、着脱可能な複数のアタッチメントをつけ、ハーベスタ⇔グランプルの付け替えが容易で、牽引荷台などもつけることができます。
・②のハーベスタについては、本日午後見学するPONSSE社のハーベスタの他に、本州では小型のハーベスタが導入されています。車体バランスが非常によく、ヘッドへの十分な油量が確保されています。キャビンも静かで快適です。IT化が進んでおり、リアルタイムで生産量等が記録されるようになっています。
・②のフォワーダについては、高速走行でき長距離の輸送ができるということが特徴として上げられます。国内メーカーの機械が2台導入されています。走破性・安全性に優れており、足回りで地面の凸凹を吸収し車体は水平に保たれるようになっています。キャビン内でのグラップル操作が可能で、移動の必要がありません。
・③架線系システムでは、オーストリアのタワーヤーダが導入された。パワーでは国産の2倍、スピードは3倍あると聞いています。搬器の操作権を荷掛側とタワー側とやりとりすることができるので、効率的である。安全を確保する機能として、過負荷警報装置などもついています。
・高性能搬器は、手持ちのタワーヤーダを活用でき、価格も比較的安い、自走式搬器(ウッドライナー)は走行速度が速い。リフトライナーは巻き上げ用のエンジンが内蔵されており、4tまで巻き上げ可能です。一度に大量に搬出する際に有効です。オートチョーカーにより荷外しの人員が不要になるというメリットもあります。
・④その他としては、小型ハーベスタとして日立建機株式会社が開発しています。ハーベスタ・バケットハイブリット機械で、道の開設と障害木の伐採を1台の機械で可能です。
・昨年度先進林業機械を導入したモデル地域の今後の課題として、日本の条件下で活用できるかどうか継続的な検証が必要であること、路網整備や集約化、オペレーター育成などの林業を取り巻く様々な課題の解消も必要であること、保守整備や故障対応などの周辺体制の充実も課題であることなどが考えられます。また、海外の先進林業機械に学んだ国産機開発も期待されると考えます。
・平成22度度の林業機械化推進シンポジウムの参加者アンケート結果によると、導入効果として重要な点は生産性の向上が66%多かったが、労働安全性の向上にも期待が高いという結果が出ています。一方で、導入には初期投資、事業地の確保、オペレーター養成に課題を感じていることがうかがわれました。
・今後の先進林業機械の導入時の検討事項として、森林資源の状況に応じた機種選定、路網の整備、団地化も必要です。また、現在自分が持っている機械との適合性も重要です。また販売先を十分に検討すること、財務的な課題のクリアが必要であり、まさに経営的な視点で全体を考えての導入が必要です。
・本年度は本州でもう1箇所、現地検討会を検討しております。また、年度末に東京にてシンポジウムを開催するよていであるため、是非ご参加いただきたい。
<質疑>なし
②「これまでの先進林業機械導入の取組」:佐藤木材工業株式会社 社長 佐藤教誘氏
<講演要旨>
・おはようございます。本日は早朝からお集まりいただきありがとうございます。今年の2月にフィンランドのPONSSE社のBEAVERという機械が林野庁の補助事業により入りました。導入にあたっては皆様にご支援いただきありがとうございました。
・私どもが素材生産事業を行っている中で、伐倒時の災害が多く、これを改善したいと5年前から考えていました。そこで、今回、BEAVERを導入しました。私としては非常に満足する機械だと思っています。当初、考えていたよりもよい機械という印象を受けています。
・BEAVERの導入に伴い、PONSSE社から4週間、指導に来てもらいました。明日講演いただくノルベルト・シャルクスさんにもご指導をいただきました。
・2月の作業地は、条件のいい作業地であったため、伐倒の生産性が非常によいという印象を受けました。BEAVERが、当社が2年半前に導入しフォワーダとして利用していたWELTE社のコンビマシンとのバランスが悪く、フォワーダがもう1台必要になるだろうと、その時にPONSSE社より言われました。そこで、社内で検討し、GAZELLEというPONSSE社のフォワーダを導入しました。GAZELLEはそれまで使っていたフォワーダの能力の6割増しです。
・林野庁の補助事業の目的である、コストダウンして国際競争力をつけていくということに対して、私たちのできることは何かと考えました。生産性がさらに高まることにつながることから、GAZELLEを導入することに決めました。約1か月前に導入が完了し、本日、皆様に見学いただけます。
・労働安全の問題、生産性の問題を1歩、2歩と前進させていきたいと思っています。みなさまにはいろいろな立場からご指導いただき、全体としてよくなるようにしていきたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。
<質疑>なし
③「PONSSE社ハーベスタ BEAVERの紹介」:株式会社新宮商行 林機課 課長 板垣勉氏
<講演要旨>
・株式会社新宮商行の板垣です。PONSSE社BEVERについて説明いたします。
・PONSSE社は、フィンランドの真ん中あたりのヴィエルマに本社工場があり、ヴィエルマの少し南のイイサルミにサービス・部品センターがあります。また、セイヤノキにコントローラー製造会社があります。
・PONSSE社は世界を6つのブロックに分けています。私ども新宮商行は正規の代理店として活動しています。
・PONSSE社では、Cut-To-Length(以下、CTL)を全てのコンセプトとして機械の開発が進められています。ハーベスタで林内に入り、伐倒、枝払い、測尺、玉切りして、フォワーダで集材するというシステムで、2台の機械で完結するシステムです。
・ハーベスタは、BEAVERの他に5機種あります。BEAVERが一番小さい機械で、BEAR、ERGO、FOX、BUFFALO(フォワーダとしても使える併用機)があります。
・フォワーダについては、今回導入されたGAZELLEは一番小型の機種に入ります。積載量は、GAZELLEは10トンで、3割増し、5割増しというように大型機種があります。
・今回の導入にあたり、国内輸送にあたって道路交通法に違反しないような機械を導入するという視点で選定しました。BEAVERとGAZELLEがぎりぎりクリアする大きさで、長さと高さの2つの制約のなかで選択しました。
・BEAVERは全体(前輪まで)で7mです。特に輸送にあたり、トンネルの高さなどが問題であり、一番低床のトレーラーを活用し、高いところの装備を外すなどして対応しました。
・道路交通法の緩和申請の届けを国に出せば規定を超えるものでも走行することもできますが、現実的には手続きは非常に大変であるため、比較的簡単にできる申請で対応できるようにしました。
・重量については、どちらも自重が14トン~15トンです。
・エンジン動力は、ベンツのエンジンを搭載しています。ヘッドのポンプ要領330Lです。前輪2輪、後部4輪、最小旋回半径は3.3mです。車体が屈折することで切り返しにより狭いところを通り抜けることが可能です。
・走行速度は、1速で約8km/h、2速で28km/hです。傾斜地の走行については、20度までは安全に作業できます。等高線方向では10度まで安全に作業できます。しかし、クレーンの旋回や岩などを乗り越えることによる転倒が考えられ、等高線方向の走行はできるだけ避けるべきです。
・ハーベスタアームは、パラレルタイプとスライディングタイプがありますが、佐藤木材工業さんにはスライディングタイプを輸送上の都合から推薦しました。具体的には、スライディングブームC2 型を推薦しました。2段圧縮ブームとなっており、10mまで伸びます。傾斜地での作業時にメインポストをレベル(水平)に直す装置があり、15度まで前後に動くことができます。
・建機を使ったハーベスタであれば、キャビンとアームが一緒に動きますが、BEAVERはクレーンだけで動かすことができます。また、キャビンの視界が広く、安全性を高めています。
・キャビンの中の広さは、シートの後ろに大人が3人入れる程度のスペースが確保されているため、研修などもしやすく、オペレーターも快適に作業できます。小型飛行機のキャビンのようです。
・また、キャビンは、転倒や逆さまになってもキャビンは堅牢でつぶれたり、フロントガラスが割れたりしないようなヨーロッパの安全基準を満たしています。
・ハーベスタヘッドはベースマシンに合わせて選択できるようになっています。今回導入したH60eが一番小さく、H7,H8もあります。
・H60e はボギー式の送材で、最大径64cmまで処理できます。
・ヘッドを動かすためのコントローラーは、オプティというソフトが入っています。
・コンピューターをゴミや熱から守ることに非常に特化しており、PC装置そのものを外部環境から守る構造となっています。エンジンなど全てをコンピューターが制御しています。
<質疑>
・網走市議会の栗田です。価格と今回の補助率の2点について教えていただきたい。
Ø補助率は定額補助で100%となっています。価格はお話しし難いですが、ベースマシンのスタンダードの価格に、オプションを足し算していくことになります。今回、佐藤木材工業さんが購入されたのは5,000万円ちょっとです。スタンダードの価格はもう少し安いですが、スタンダードだけでは仕事がしにくい部分があるので、オプションで1,000万円程度は変わってきます。
④ 「ヨーロッパの短幹集材システムのわが国への応用」:森林総合研究所北海道支所 地域研究監 佐々木尚三氏
<講演要旨>
・おはようございます。森林総合研究所の佐々木です。
・我が国への応用というテーマについては、明日PONSSE社のノルベルト・シャルクスさんが詳細を講演されるので、本日の私の報告は概要と考えていただきたいと思います。
・CTLは、直訳すれば短幹集材方式です。ほとんどがハーベスタ・フォワーダシステムです。全て機械化された最も進んだシステムといえます。
・“No foot on forest”ということで作業員が一切林地に足をつけない作業です。怠慢だという意見も一方にありますが、安全面などを考えると一番いいシステムだと思います。
・ハーベスタ、フォワーダの性能について説明します。ハーベスタは、自重13~15トン、間伐生産性8~15m3/h、主伐生産性15~30m3/h、年間生産量15,000~80,000m3/年です。フォワーダは自重10~20トン、積載量8~18トン、生産性10~30m3/h、年間生産量20,000~60,000m3/年です。
・CTLの位置づけについて話したいと思います。林業機械の組み合わせにより、より合理的に作業を行う考え方として、ひとつには車両系集材、架線系集材という分け方があります。架線系集材は少なくなってきていますが、一部では道内でもチャレンジしようという動きも出てきているようです。車両系集材では、短幹集材、全幹集材、全木集材があります。
・もう一つの分け方として林内走行型と路上作業型というのがあります。路上作業型は路上にのみ機械がとどまり、ケーブルなどで引き寄せて行われています。本州以南の作業システムは基本的には路上作業型で考えられています。林内走行型は、北海道は比較的適地が多いです。林内走行型の良さは、ハーベスタ機能をフル活用できる、危険なチェンソー作業を少なくできるという点にあります。ただし、傾斜は20°程度まで、林地保全には配慮が必要です。
・路上作業型は傾斜が20°以上でも可能、高密度の作業路開設が必要、林地攪乱が非常に小さいという特徴があります。
・林内走行型は北海道には適地が多いので、紋別を起点として広がっていけばいいと思いますが、オーストリアでも林内走行型は結構行われており、高い生産性を上げている点に注目すべきだと考えています。
・ただし、コストは全体の仕事量などの影響を受けるので、必ずしも生産性だけでは決まらない点には注意が必要です。
・CTL導入の問題点と対策として、傾斜地の問題は傾斜地でも結構作業できるといえます。昨日の紋別私有林でも傾斜20度ぐらいのところを一部作業していました。
・ハーベスタの作業方向は、建機ベースだと登坂方向が安全ですが、BEAVERなどは下り方向が安全です。
・機械サイズの問題について、林業専用マシンの場合、高さ、幅からトレーラーによる運送が必要です。林内に入る視点からは、車体幅2.8mの場合、4mあれば入れることから、林内に入る際に大きすぎるとは言えないのではないかと思います。
・土壌への影響は、ホイール型は概して少ないと言われていますが、今後検証していきたいと思います。
・生産性について、北欧は高いですが、条件が日本に比べて特に優れているわけではありません。例えば、木の太さはフィンランドの方が日本より細い、採材長さの種類もフィンランドでも10種類以上ある、平坦地形が多いが局所的には傾斜は少なくない、以上の点から日本が特段、条件が厳しいということではないと思います。
・環境への配慮については、機械が走行する部分に枝葉を敷くことで林地への影響は少なくなっています。
・今後のハーベスタシステムの方向として、ハーベスタとフォワーダがバランスを取ることで生産性を上げることができますが、完全にバランスを取ることは難しいので、ハーベスタとフォワーダを完全に離して、バラバラに作業させる方向に北欧では進んでいます。
・小型化に進むべきか、大型化に進むべきかはいろいろな議論がありますが、運搬の問題からは小型化が必要になります。林地保全については小型化がいいと感じていましたが、タイヤサイズ等による軽減も可能であることから一概には言えないと思っています。
・ハーベスタが有する機能として、採材設定メモリー数が30あり、自己学習機能もあります。また、データ記録・転送システムによる伐出指示などは川下との連携で難しい点も多いですが、国内でも取り組んでいくことが必要だと思っています。
<質疑>
・美幌町議会の大江です。バイオマスについて、昨年、森林総合研究所の久保山さんからお話を聞きました。本日の報告では林内走行で枝葉を敷いていくということですが、久保山さんは全木集材することで30%程度の有効活用ができるという話でした。そのあたりの関わりを教えていただきたい。
Ø昨日も現場で同じ話が話題になりました。バイオマスとしては非常に重要な資源です。北欧でも議論になっているようです。フィンランドでは伐根まで掘り起こして使っています。林地の今後の生産性にも関わる問題でもあります。バイオマスで使われる部分は、枝葉ではなく末木や追い上げが材積的にはほとんどなので、枝葉と分けて考えるべきだと思います。必要に応じて全木集材も考えていくということだと思います。((株)新宮商行・板垣)
⑤「PONSSE BEAVER H60e を活用した作業システム実証試験報告」:北海道立総合研究機構林業試験場 主査 渡辺一郎氏
<講演要旨>
・渡辺です。これまでの講演で、機械導入の背景、機械導入、機械を使う作業システムの説明がありました。私は、北海道で導入機械を使った場合にどれくらいの生産性が期待できるのかについてお話ししたいと思います。
・ただ、今回の報告は2月に導入された直後に調査したデータである点に留意いただきたい。
・実証試験は、BEAVER(ハーベスタ)とWELTEコンビマシン(フォワーダ)の生産性を検証したものです。既存の従来型作業システム(ブル集材)との比較をしました。
・調査地は、西興部村、トドマツ50年生で、平均単幹材積は0.8m3、林分としては比較的大きい林地でした。
・今回の作業は、前回の間伐で使った伐採幅を利用して機械が走行し、周辺の木を伐採(定性間伐)するというものです。
・林地はなだらかな傾斜、60~70cmの轍があります。
・新システムは、ハーベスタによる伐木、枝払い、玉切り、コンビマシン(フォワーダ)による集搬、巻立てです。従来システムはチェンソーによる伐木、グラップルローダによる木寄せ、トラクタによる集搬、ハーベスタによる枝払い、玉切り、グラップルによる巻立てです。新システムは生産功程調査によりデータ、従来システムは日報調査によるデータです。
・BEAVERと国産ベースマシン(0.45m3クラス)を比較すると、一番違うのは高さ、アーム長の長さです。・WELTE社(ドイツ)コンビマシンの特徴は荷台のフォワーダ仕様とスキッダ仕様の両方に対応することです。データ収集はフォワーダで実施しました。
・BEAVERは納入後1週間程度で、機械調整中かつオペレーター訓練中だったため、フィンランドの熟練オペレーターによる作業のデータを収集した。
・データ収集の結果について、立木1本あたりの材積は0.7~0.8m3のものが多く、全体で35本でした。単木材積が大きいほど生産性が上がる傾向が見られました。生産性は28.6m3/hとなり、従来システムの倍でした。条件さえそろえば欧州と同等の生産性がでることが示唆されました。
・作業工程別に、BEAVERと国産ベースマシンが1本の木を処理するのにかかる時間を比較すると、旋回と枝払い・玉切りに大きな違いがあります。コックピットからの視界の良さにより周りの障害物を確認する必要がないというのが大きな要因の一つではないかと思います。今後さらに検証したいと思っています。
・フォワーダについては、3サイクルしかデータをとれていないので、参考値です。平均すると10.9m3/hとBEAVERの半分の生産性でした。しかし、これは国内のフォワーダに比べればよい数値です。・GAZELLEを導入した場合、システム生産性は14.3m3/h、42.9m3/人日と非常に高い生産性が期待されることになります。
・従来型システムの生産性は、人工ベースで9.6m3/人日でした。従来型システムとしては高い数値です。
・今回の調査結果から、欧州並みの生産性が実現できており、同じ機械を使い、林地の条件がそろえば欧州並みの生産性を出せると言うことが示唆されたと思います。
・その他の特徴として、損傷木が少ないということが上げられます。損傷木は70本調査して1本のみでした。また、雪上ではありましたが林内走行はスムーズであること、また豊富な作動油、作業時の死角が少ないことから作業スムーズ、コックピットの快適性(広い、静か、高い視点)、OPTIというITソフトが伐木作業をサポートしている点が指摘できました。
<質疑>なし
⑥全体質疑
・下川町の齋藤です。OPTIを使うために整備すべき通信環境について教えていただきたい。
Øまず、測尺機能がついていますが、それを活かせていないという点が問題です。ハーベスタで測尺しても土場でまた人が計測しているのが実情です。測尺精度の許容、JAS規格の末口二乗法の計測方法も問題です。川下と川上の連携が進んでいけばよいと考えています。通信環境については無線等で対応可能だと思います。(佐々木)・ヨーロッパ型の性能の良さはわかりましたが、価格が高すぎて初期投資が進まないというのが現場にはあります。ヨーロッパ諸国では補助制度が充実しているのかどうか、また、日本の補助制度を充実する動きはないのか、という点について教えていただきたい。
Øヨーロッパでは、政府援助のある国もあるが、フィンランドでは費用援助はありません。また、ヨーロッパの中で援助のある国でも、100%援助ということはありません。援助に対して入札をクリアした会社のみ援助を受けることができるシステムはあります。(シャルクス)
(昼食・移動)
4.室外プログラム:先進林業機械のデモンストレーション
〇林況説明:紋別市
〇オペレーター紹介:佐藤木材工業株式会社
〇機械デモ見学:佐藤木材工業株式会社
〇機械説明:株式会社新宮商行
<質疑>
◯BEAVERについて
・末口径を指定しての造材は可能ですか。
Ø計測機能がついているので設定すれば可能です。((株)新宮商行)
・タイヤの中はエアーのみですか。
Øエアーと水が入っていて、重心を低くするために水が70%です。((株)新宮商行)
・ボギーバンドの調節はタイヤの空気圧で行うのですか。
Øバンドの繋ぎ部分の金具サイズや数で調節ができます。((株)新宮商行)
・アームの付け根部分のメンテナンスはどうやってするのですか。
Ø腹側にもハッチがありそこからメンテします。((株)新宮商行)
・アーム上部に表示されている機械からの危険範囲の表示について、同じアーム長10mなのに、フォワーダ(GAZELLE)は20m、ハーベスタ(BEAVER)は90mとなっているのはなぜですか。
Øハーベスタはチェーンが飛ぶ危険があります。また、ハーベスタは伐倒し、全木を扱うので、アーム長に樹高分をプラスして安全距離を取る必要があり長くなります。一方、フォワーダは短幹材を扱うだけなので、アーム長の2倍(10m×2)でよいことになっています。((株)新宮商行)
◯GAZELLEについて
・燃費はどの程度ですか。
Ø1時間あたり20L程度です。条件の悪いところで25L程度です。(佐藤木材工業(株)・オペレーター)
Øハーベスタ(BEAVER)は1日7時間で100L程度なので、1時間あたりでは12~13L程度です。(佐藤木材工業(株)オペレーター)
国際森林年関連事業
平成23年度林野庁補助事業「先進林業機械改良・新作業システム開発事業」
先進林業機械を活用した作業システム現地検討会開く
宮川良一市長
林業専用大型ハーベスタを活用した
ハーベスタ・フォワーダシステム
ノベルト・シャルクス氏
渡辺一郎氏
佐々木尚三氏
板垣 勉氏
石橋啓史氏
国際森林年関連事業の平成23年度林野庁補助事業・先進林業機械改良・新作業システム開発事業として、「先進林業機械を活用した作業システム現地検討会・林業専用大型ハーベスタを活用したハーベスタ・フォワーダシステム」と銘打って去る10月4日と5日の両日、午前10時から午後4時にわたって紋別市民会館と紋別市有林で開かれた。検討会の主催は、網走西部流域森林・林業活性化協議会、佐藤木材工業株式会社(佐藤教誘社長)、株式会社自然産業研究所(多田稔社長)の3者。北海道と紋別市の両者が後援、株式会社新宮商行が開催協力をした。ここに午前10時から午後4時まで開かれた、開会からの模様を自然産業研究所・石橋啓史氏のレポートで紹介する。
資料提供・取材協力:(株)自然産業研究所
・石橋啓史氏、紋別市役所産業部農政林務
課林業振興係・中村雅俊氏、現場写真提供
・(株)コーエキ
佐藤教誘氏