同社は父親の定男氏が1950(昭和25)年に創業し、現・司社長は地元の高校卒業後、丸宇木材市売㈱(東京・江戸川区)で4年間修業ののち家業の工場に戻り、1991(平成3)年に社長を引き継いで23年になる。
 同社はヒノキ材100%の製材工場で、5、6、7、8寸の太角、平角を中心に9寸から尺上角まで注文に応じている。材長は4mものが80~90%と多く、3m物と合わせて角材製品を50%生産している。ちなみに製品の多くは寺社などに使われている。
 また、内装材を30%と造作材を20%の割合でつくり、歩留り65~70%近くまで高めて月産450㎥を生産している。このことについて同社長は「厳しい経営環境の中で、歩留まりを追及し高めなければ収益を上げることはできない」と語っている。
 廃材などは粉砕して飯南地区木材協組の集荷を通して製紙工場へと運ばれている。
 現状の従業員は18名で、内装材生産の工程に人手を多くさいている。ただ、事業として角材を挽くだけの工場なら製材機を操作するオペレーターとリフト作業などで人員は多く必要としないが、それでは地域の雇用も生まれないし、会社の継続性を考えた時に進歩もなくなってしまう。
 そこで今回、新規に導入したミエフソーの耳摺機のツーカットソーも、鴨居・敷居など造作材加工の効率化を図ったもので、今までより加工速度も三倍近い生産性と切削面の木肌の良さを発揮している機械の一つである。
 同社の量産製品として一般住宅用の内装材も一部販売、フローリングやピーリング(羽目板)についても、時代のニーズに合うものや消費者の木に対するムク志向、ハウスメーカー・工務店のニーズに応えながら柔軟な対応を心掛けて、絶えずいいものを先取りしている。ユーザーが何を求めているかを形に、信頼されるモノづくりをモットーに製品の良さをアピールし続けている点にも注目される。
 なお、素材の仕入れ先は、需要に応じ県産材、紀州材、吉野材、東濃材そして静岡方面から広く求めている。
 取材のあと社長は、息子の一将(かずまさ(26))も工場に入り、張り切っている。と笑顔が印象的だった。
森 司 氏:1956(昭和31) 年10月、三重県松阪市飯南町生まれ。
趣味のゴルフは ハンデ18
ヒノキの太角・平角・造作材とムクのフローリング・化粧材製品

 ヒノキを専門に製材して約65年、森製材株式会社(三重県松阪市大石町587-1、森 司社長 (写真)、℡0598-34-0159)へ、機械設備を納めている㈱ミエフソー(松阪市)の桑原武郎社長の案内で訪ねた。
操作台から見たところ
現役です1990年製センタードッグ全自動送材車
(石田エンジニアリング㈱)
パーカー(エノ産業㈱)/粉砕機(富士鋼業㈱)
乾燥装置2基(㈱新柴設備)
woodfast '14-6
全自動両横切機・横切寸法自動制御付(㈱ミエフソー)
カット幅2000~4700mm
ヒノキ製材 一筋に65年
エアーテンション帯鋸盤1100(石田エンジニアリング㈱)
造作材用の丸鋸両面ツーカットソー(㈱ミエフソー)
全自動摺直し送材車400/エアーテンション帯鋸盤1100
(石田エンジニアリング㈱)
松阪の森製材株式会社を訪ねて