国際木工林業機械見本市LIGNA(リグナ)2015が、2015年5月11日(月)から15日(金)まで、ドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される。LIGNAは一次・二次木材加工と木工向けのプラントや機械のプロバイダーのための世界最大の見本市である。構成はユニークで、林業と林業技術から木材加工、木工、木材ベースのバイオエネルギーに至るまでの木材バリューチェーン全体を対象としている。LIGNAのもう1つの際立つ特長が国際色の豊かさであり、出展企業の半数超がドイツ国外から参加する。
 今年のLIGNA来場者にとっては、革新的でグリーンな林業技術とバイオエネルギー技術について網羅的で詳細な情報を屋外展示場、パビリオン32~35、ハノーバー国際見本市会場のホール13で入手できる点が大きなメリットとなる。もちろん、トップクラスの多数のネットワーキング・イベントも実施される。来場者は会場で、最新の林業機械、機器、ツールや、木材の伐採、回収、運搬のための新しい技術とプロセス、可動式の製材機械、ロジスティクスと保管のシステム、情報通信システム、トレーニング/キャリア・プログラム等、林業と林業技術に関する包括的な展示ラインナップを目にするだろう。
 LIGNAは最先端の木材加工と木工産業向け機械とソリューションのためのプレゼンテーション・プラットフォームをはるかに超える場である。非常に多くの特別なプレゼンテーションやフォーラム等のサポート・プログラムが用意され、木工林業向けの世界一のネットワーキング、コミュニケーション、情報ハブとなっている。世界中の木工林業の専門家を集める力において、本展に匹敵する見本市は存在しない。

KFW Business Pavilion(KFWビジネスパビリオン)
 パビリオン33と34ではGerman Forestry Council(KWF/ドイツ森林協議会)が実践的なデモを行い、ドイツの林業トレーニング・プログラムと最新の林業技術を活気づける。
「Europe: One market, multiple offerings(ヨーロッパ:1つの市場で多彩に提供)」をテーマとするブロックのプレゼンテーションでは、中欧の林業機械市場の概要を提供するとともに、欧州の林業技術の最新動向を追う。「The public image of our industry(私たちの業界のイメージ)」と銘打った展示では、German Association of Forestry Contractors(AfL/ドイツ林業請負業組合)による林業サービス・プロバイダーのイメージ・キャンペーンが開始される。「Investing in forestry technology – calibration pays off(林業技術への投資:キャリブレーションは利益をもたらす)」は林業機械に関するインタラクティブな展示である。
 この展示では、さまざまな構成が、機械の性能、伐採した木材の価値、最終的には林業ビジネスの収益性にどのような影響を与えるかを示す。特別展示「Gaining skills and staying professional(技術を習得し、プロでありつづける)」では、シミュレーター3台とフォワーダ1台を使用して、林業の専門家が行う機械操作の教育とトレーニングが注目されている。
 KWF Entrepreneurial Expertise Center(KFW起業家的企業センター)としても知られるKFW Business Pavilion(KFWビジネス・パビリオン)の展示プログラムの補完として、さまざまなフォーラムがパビリオン33の中2階で開催される。
 パビリオン33の前の屋外展示場では、林業用車両ドライバーのトレーニングに関するデモが行われ、実際の教育や研究から得られた最新の洞察や報告が盛り込まれる。また、林業用クレーンの制御システムも取り上げられる。
 そのほか、チェーンソー・トレーニング・コースのプロバイダーを対象としたKWFの新しい品質表示と、Germany’s Statutory Accident Insurance Association(DGUV/ドイツ法定事故保険中央組織)が発表したチェーンソー・トレーニング・コースの最新ガイドラインに関するプレゼンテーションも予定されている。
もう一つのハイライトが、ドローン、すなわち無人飛行機(UAV)の林業向け用途と使用の利点に関するプレゼンテーションである。
German Forestry Councilの「New Trends Pavilion」(P34)は、バイオエネルギー分野の最新の動向と進歩にスポットライトを当てる。
 会場中央にあるEXPOキャノピーの共同出展パビリオンでは、森林管理、木材伐採、建設資材としての木材、環境にやさしい再生可能エネルギー源としての木材に焦点を絞る。特別展示「Energy from Wood(木材からエネルギーへ)」では、木質燃料からのエネルギー生産量を最大化するための伐採、ロジスティクス、燃料調整、燃焼の最適化が焦点となる。
 
 
 ドイツメッセ株式会社とLower Saxony Agricultural Association(ニーダーザクセン州農業会議所)は、プレゼンテーション「From Tree to Fuel(木から燃料へ)」ウッドチップ製造ライン全体を紹介する。会場では、木材を良質なウッドチップに効率的に変えるためのロジスティクス/加工ソリューション等、無垢材を使用可能な燃料に変換する上でのさまざまな技術的プロセスのデモを行う。また、異物、微粒子、大きすぎるチップをウッドチップの原料から除去するための最新のふるい分けソリューション等、燃料調整や乾燥のシステムも取り上げる。ドイツ国内ではバイオマス・センターや木質エネルギー・センターが次々と誕生していることから、こうした技術に対する需要が増加している。
 屋外展示場のLower Saxony Pavilion(パビリオン32)では、Lower Saxony Agricultural AssociationとLower Saxony Renewable Raw Materials Network(3N/ニーダーザクセン再生可能原料ネットワーク)等の機関が、木質エネルギーに関連したあらゆる事柄について、公平な情報とアドバイスを提供する。そのトピックとして、エネルギー用森林の設立、造林、伐採、木質燃料の調整と保管、ロジスティクス、品質基準、エネルギー源として木材を活用するために利用可能な技術的ソリューション、排ガス規制への準拠等が挙げられる。
 Lower Saxony Pavilionでは、Lower Saxony Ministry of Food, Agriculture and Consumer Protection(ニーダーザクセン州食糧・農業・消費者保護省)によるグループ展示「Forestry Qualifications and Careers(林業の資格とキャリア)」も予定されている。
 これは屋外展示であり、パビリオンとコンベンションセンターでは補完的な技術フォーラムも行われる。その1つが、LIGNA会期2日目にパビリオン33で実施される「Small Furnaces for Solid Biofuels(固形バイオ燃料向け小型炉)」に関する技術フォーラムである。German Federal Emission Control Ordinance(ドイツ連邦排出ガス規制指令)の第1次指令(1.BlmSchV)の施行から得られた初の洞察が発表されるほか、多数のソリューションが提案される。
 また、エネルギーとしての木材のさまざまな使用法を検討する特別なガイドツアーも行われる。
 5月12日(火)コンベンションセンターはGerman Waste Wood Preparation and Recycling Association(BAV/ドイツ廃木材準備・リサイクル組合)によるプレゼンテーション「Turning Wood Biomass into Energy(木材バイオマスをエネルギーに変換)」の会場となる。コンベンションセンターでは、Lower Saxony Renewable Raw Materials Network(3N)が5月11日(月)に「The Market for Energy Wood(エネルギー用木材市場)」、5月13日(水)に「Timber Construction(木造建築)」に関する講演を行う。
「NRW – Making more out of wood(ノルトライン=ヴェストファーレン州における木材の有効活用)」は、North Rhine-Westphalia(NRW)Forestry and Wood Cluster(ノルトライン=ヴェストファーレン州林業・木材産業クラスター)の企業とパートナーによる通常のグループ展示の名称である。今年はパビリオン35のEXPOキャノピー共同出展エリアで実施され、モービル・マッピングや木材を滑り下ろす道の記録等、地理情報システム・ベースの木材伐採/運搬アプリケーションに向けた全地球航法衛星システム(GNSS)ソリューションに焦点を絞る。
 そのほか、木工林業による気候保護への貢献を数値化するための新しい森林情報システムと方法もテーマとなっている。「Energy from Wood」展示エリアでは、最先端の排ガスろ過装置を採用した高効率、低排出のバイオ燃料炉のデモが行われる。
 LIGNAの木材バリューチェーンを締めくくるのは、革新的な木製品、木材ベースの建材、木造サービスに関するプレゼンテーションである。
 2年に一度、ニーダーザクセン州のフォワーダとハーベスタの最高のドライバーがLIGNAの屋外展示場(南側)に集結し、州のクレーン運転競技会で腕を競い合う。今年は女性ドライバーの競技会が初めて開催される。5月14日(木)、ニーダーザクセン州の最高の女性林業用車両ドライバーが競技会で最後まで戦い抜く。
 また、同日にはドイツの最高の選手たちが斧とのこぎりを手に直接対決し、国際競技会「STIHL®TIMBERSPORTS® SERIES」の一環として開催されるLIGNA Cupでの優勝を目指す。この見逃せない一大イベントは、毎回大観衆を集めて屋外展示場で実施される。
※リグナハノーバー問い合わせ先

(一社)日本能率協会産業振興センター
ドイツメッセ日本代表部

LIGNA
国際木工林業機械見本市
会期:2015511日~15
会場:ハノーバー国際見本市会場

 
LIGNA2015 概要とハイライト“林業と木材ベースのエネルギー関連の展示”
 
日本からの出展企業・団体(順不同・ホール№)
(一社)日本木工機械工業会(H27-G62)、㈱名南製作所(H27-G62)、
㈱太平製作所(H27-F62)、キクカワエンタープライズ㈱(H27-J51)、
山本ビニター㈱(H12-A62)、兼房㈱(H12-B28)、名古屋大学農学部(H14-H50)
 
資料:ABCエンタープライズ
woodfast '15-4