　木材を始めとして、金属、アルミ、樹脂などの多様な素材に対応するフソー独自開発のコミュニケーションソフト“スマート・プラン”は、ユーザーの要望に合わせて作るカスタマイズソフトである。
　現在、機械性能による生産性は、かなり上がってきている。当初の鋸の走行速度も毎分4～50mから、100m程度に性能はアップしてきたが、その割に生産性はアップしないことが多い、理由は多品種少ロットという現状かも知れない。そこで機械台数を増やせば生産量は増えるのは当然だが利益が伴うかが問題である。例えば材料費は増え、生産量は増えているにも拘わらず利益が見合うほど出ないという声を良く聞く、こうした現場の改善に役立つプランとして生産性を高め歩留りの向上とカット速度を追及した“スマートプラン”の目的は、能力を２倍にする、人員を半分にする、スペースを半分にする、そのスペースを有効利用する、残業は減らして余裕を持ちたい、などの色々な改善要望を満たすために取り組んできたプランとしている。
　パネルカットの現状は、受注製品別の作業伝票、仕分け、木取りサイズの数量カットまでを机上処理による時間のロスと材料ロスを見逃したまま気付かずに機械にかけて製品仕上げを行なう。その間の人為的なミスや機械メーカーの別々に搭載しているカットパターンの操作不慣れを未然に防ぐために開発した最適な加工パターンソフトとしている。

パソコンと生産ラインをネットワークで結ぶ
　スマートプランの特徴は、エクセルなどで作成した加工リストのデータを、既存の木取り最適化ソフトなどにデータを送り、即、作業に移行できる。この管理ソフトにより、カット工程の事務処理時間の短縮、機械稼働率の大幅なアップと歩留り率の向上が図れる。特に木取りの最適化は、ユーザーのシステムにカスタマイズできるため、加工優先の順位付けによる最適な木取りは製造工程と収益向上に優れた効果をもたらす。

ユーザーに最適な加工設備を提案し、大幅な生産性向上に寄与するソフトシステムとは、テーマとしたカットデーターの連携による機械稼働率の大幅アップを行なうソフトで、ユーザー側のコンピューターシステムと、ホルツヘル社ランニングソーもしくは、アーテンドルフ社スライドソーの最適化カットソフトをつなぐ、同社独自のコミュニケーションソフトである。
　いままで機械側の最適化カットソフトは販売され使われてもいるが、ユーザー独自の段取りを考慮したシステムの連携が有効に働いていなかった。
これによる問題点を上げると。
1.ユーザーシステムから、機械側のシステムへの手入力が行なわれるケースが多い。
2.カットシステム側での最適化が行なわれても、カットの後行程での段取り替えの工数の増加になっている場合が多くあった。

スマート・プランのメリット
　スマート・プランは、事務所で作成した加工データを、オプティマイゼーション機能により最適化されたデータとしてネットワークを介して機械に送られる。
　機械オペレーターは、スタートボタンを押すだけで、機械が全ての位置決めを自動的に行なう。
データ作成と機械オペレーターの分業化により、計算ミスや設定ミスなどのヒューマンエラーを防ぐとともに、大幅な機械稼働率向上を実現する。従来、複数台の機械で行なっていた加工作業を１台の機械でまかなうことが可能となる。
　カット工程のメリットは、①生産管理の事務処理の短縮、②設備稼働率の大幅アップ、③歩留まりの向上は特に大きい等の特徴をもっている。

　　　　　　　　（本稿スマート・プラン収録＝'12年4月）

　木材加工機械、輸入機械、省力化機械ディラーのフソー株式会社（奈良県桜井市吉備戎町588-1、桑原柾人社長、0744-43-2020)は、9月19日～21日の三日間本社ショールームで「フソー・オータム・フェア2013 in 奈良」最新のテクノロジーで“最適なカットと最高の縁貼りの提案”に来場者89名（63社）が訪れ、熱心に各機の担当者から説明を聞いていた。
　実演展示機種は、世界的トップメーカーでもあり、日本市場に多くの納入実績を誇るドイツのアーテンドルフ(ALTENDORF)社製のスライドソー各機種を始め、今回特に提案したホルツヘル(HOLZHER)社独自のグルージェット(Glu Jet)糊塗布システムは、縁貼りジョイントのきれいな仕上がり面を得意とするタイプで、縁貼りの革命と呼ぶ声も高い機種。主な特徴は手間のかかるメンテナンスが容易なこと、ヒートアップ時間も約３分とスピードアップのうえ省エネにつながり、作業時間ロスの低減になるとして好評を得ていた。ほかに最適なエッジ処理とカット方法を選べるラインナップでユーザーに対応していた。
　会場には、ホルツヘル社製新型５軸制御CNCマシン並びに４軸制御CNCマシン及び各種縁貼り機やカットを効率化する機能を搭載したランニングソー。ベニヤ接合技術のトップメーカー・クーパー(KUPER)社製のジグザグマシンのほかスイス・ラメロ社のグルーピストル。JOWI社の製品にキズを付けずに自由に幅や高さの調整ができるモバイルラック、トラスポートラック。FESTOOL社のさまざまなホゾ組ができる万能ジョイントシステムなど各機種が展示され、ハウスフェアならではの個別対応に来場者は熱心に説明を受けていた。
　そして前回のフェアで人気を集めた、オーストリアのバーバリック(BARBARIC)社製のフレックス・リターンシステム(搬送反転装置)とホルツヘルのグルージェットタイプ・エッジバンダーとの省スペースでスマートなラインも注目された。
　ちなみに同社からきたフェアの短信を紹介しよう。
1. ホルツヘル社のGLUJET搭載の縁貼り機。縁貼りジョイントの美しさで評判が高く、多くの引き合いをいただいた。
2. アーテンドルフ社、スライドソーF45 NC4 型。寸法、角度のセットは全て0.1精度で行え、木工の製造工程に革新を起こす機械であると評判が高かった。
3. ホルツヘル社の最新5軸制御CNCマシーン、プロマスター7225。来社されたユーザーより、ソフトの先進性と使い安さが評判になった。加工の自由性が拡大し、角度、形状に会わせた刃物を必要としないので、コストダウンと短納期に対応できる画期的な機械と好評であった。
　総体的にハウスフェア独特のゆっくりと機械を見ていただけた思っている。　