1969(昭和44)年、無落雪建築工法を開発した住宅メーカー・木の城たいせつ(北海道夕張郡栗山町、山口昭代表)は、2008(平成20)年に経営破綻した。そのあと大阪の住宅メーカー㈱創建(大阪市中央区淡路町3-5-13、吉村孝文社長)が、従業員と技術及び工場(同地)を引き継いで、住宅会社「㈱木の城たいせつ」と木材加工会社「㈱たいせつ」の2社を新たに設立して業務を展開している。  
 今回、導入した乾燥装置の事業体は栗山町ドライウッド協同組合(夕張郡栗山町旭台23-82、吉村孝文代表理事=㈱創建社長)で、同組は㈱たいせつ、㈱木の城たいせつ、㈱創建、北野木材㈱(赤平市)、山本組木材㈱(上川郡下川町)の5者の構成員で、内需振興型産業である林業・木材産業の再生を図るため、北海道産材の加工拠点として今年1月に設立した協同組合である。
木材乾燥装置完工の竣工式
 8月6日10時より乾燥装置の完工にともない披露を兼ねて工場敷地内で竣工式を行なった。式は神事により執り行われ、吉村孝文代表理事の挨拶に次いで、来賓祝辞の橋本昌明空知総合振興局産業振興部長、椿原紀昭栗山町町長、中島俊明北海道総合研究機構森林本部長、松原正和北海道木材産業協組連会長、東川敏文北海道科学技術振興センター常務理事の各氏から、今後の道産材のさらなる活用に対して期待を述べた。
 続いて当装置で仕上げる乾燥材を「コアドライ」と商標登録申請している製品説明を、旭川林産試験場の石河周平主幹が、「北海道の人工林資源カラマツを活用した高品質な建築用材」と題して解説した。
 殊に「カラマツ心持ち正角材」は、北海道総合研究機構と旭川林産試験場の開発による優れた乾燥技術を活用し、家具用材並みの乾燥レベルで仕上げ、北海道の過乾燥な室内環境でも、ねじれや狂いが生じ難い構造材の高品質なブランド「コアドライ」の供給を図る。
 そして木材トレーサビリティーシステムの活用により、産地証明を越える生産管理で、流通情報を正しくユーザーに伝える仕組みを作り上げ、加工段階の情報を製品一本ごとにバーコード管理を実行して、合格品のみにラベルを貼付して出荷するシステムを解説した。なお、式には約80名が出席した。
 導入した木材高温乾燥設備は、森林整備加速化・林業再生事業を活用した平成26年度北海道補助対象施設整備事業の一環で、工事費の総額は約1億円。
 装置メーカーは、ヒグマ乾燥機㈱(旭川市東旭川北3条5丁目3-19、鈴木吉彦社長)の高温乾燥装置3基。
■乾燥装置 高温タイプ(寒冷地仕様):25㎥×3基
■生産能力 カラマツ構造材年間1.500㎥
      トドマツ下地材年間1.920㎥
■販売目標 初年度 5,300万円
      3年目 1億2,000万円
      5年目 1億9,000万円
■養生倉庫 8,000㎡
道産カラマツ構造材生産に
高温乾燥装置導入で竣工式







栗山町ドライウッド協同組合(北海道栗山町)
同、1号機(右)と2号機
制御室
乾燥装置3号機
椿原紀昭氏
橋本昌明氏
吉村孝文氏
工場地内の特設式場
woodfast '14-9
乾燥室に初搬入するカラマツ正角材
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装置の背面(1・2号機は養生棟内に、3号機は右) URL:ヒグマ乾燥機㈱
URL:㈱木の城たいせつ
8,000㎡の養生棟
テープカットのひとこま
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吉村代表理事
河合周平氏
松原正和氏