長い歴史と技術を次世代につなぐ

 1930(昭和5)年北海道雨竜郡幌加内町で三津橋泰次郎氏(故人)が木材業を創業以来、80有余年の歴史をもつ広葉樹及び針葉樹の造林、造材から製材、チップ加工、単板加工、プレカット加工まで一貫生産して来ている三津橋産業株式会社の本社・士別工場(北海道士別市西1条21-471、三津橋 央(ひさし)社長、TEL0165-23-5271)を訪ねてた。
 と言うのは、同社長(56)が理事長の「道北ハウジングシステム協同組合」(士別市西3条20-464、TEL0165-22-1019)が、今年2月に新たにプレカット工場に機械を導入し、グループを統括する氏に経緯を尋ねるためだ。なお、同組の設立は1995(平成7)年、組合員数9社、出資金1950万円)。

 理事長にプレカット機械導入の経緯を聞く
  
    
穏やかに経緯を説明してくれた三津橋氏
 まず道北ハウジングシステム協組のプレカット工場を案内する前に、ここ三津橋産業の士別工場について少し説明しましょう。この敷地には1970年代から広葉樹をロータリーレースで単板に加工する工場があり、壁板、床板、ドアスキンをカバ材で、そしてフロア向けにナラ材で厚物の単板を相当量生産した単板工場がありました。と同時に広葉樹のナラ・タモなどを挽く製材工場と、針葉樹のトドマツを挽く製材工場と合わせて3工場が生産拠点として工場を構成していました。
 しかし1990年代になると広葉樹の資源が次第に枯渇する見通しとなり、単板工場は止む無く閉めることになった。その後は広葉樹と針葉樹をそれぞれに挽く2工場に、今後の住宅建築の需要を考えてプレカット部材を供給する目的と、さらに地域に貢献することを目的として、平成7年に道北ハウジングシステム協同組合を設立して新工場の建設とプレカット機械を整備した。しかし、当時導入したプレカット機械も長年活躍したが、20年も経つと生産性も低くなり、また修理頻度と電力の消費量などを検討した結果、更新することを決めました。
 そこで今回、新規に導入するプレカット機械の主なラインと、集塵装置を再整備するために工場建物はそのまま利用してプレカット機械を入れ替えることにしたのです。導入したラインは宮川工機製をコストパフォーマンスの面から選び、合わせて井上電設の集塵装置を設備しました。
 プレカットに使用する構造材は欧州産ホワイトウッド集成材を主に、羽柄材は地元のトドマツを使用しています。マーケットは道内向けで多くは札幌に、それと旭川と道北地域に邸別に出荷しています。
 ちなみにプレカット工場再整備費の総額は4億2700万円(内28年度補助事業費1億7200万円)。プレカット生産量年間1万5000坪予定。従業員数20名です。
工場概要
士別工場面積    98,339㎡
広葉樹年間消費量  5,500㎥
針葉樹年間消費量  24,500㎥
乾燥装置     30㎥×11基
道北ハウジング工場 5,017㎡
三津橋産業(株)グループ=7社、年商約50億円、
従業員数150名。
http://www.mlcmitsuhashi.co.jp/

                                                                        Woodfast '17-4

TOP

 士別市(しべつし)は、人口約2万人の北海道上川地方北部にある市。 読みが同じ標津町と区別するため「サムライ士別」と呼ばれることがある。
 最後の屯田兵村の一つであり、農業の集散地として発展してきた。士別駅付近には多数のレンガ造りの農業倉庫があり、現在でも使用されている。また、羊のまちとして有名で、郊外の観光施設「羊と雲の丘」「めん羊牧場」では、めん羊の放牧や飼育風景を見ることができる。士別剣淵インターチェンジの東にある「かわにしの丘」は丘陵風景が美しい。     駅舎写真資料:Wikipedia

 サフォークランド 羊と雲の丘
 サフォークとは羊の種類で、士別市では観光や町おこしのために、約1100頭のサフォーク種めん羊が飼われている。 資料:観光協会HP

柱材加工機/通し柱・管柱・化粧柱・束/MPS-34 宮川工機㈱

横架材中間加工機/土台・大引・梁材・胴差・母屋・棟木/MPS-VX04 (  〃  )

高速羽柄材加工・欠き加工機 MPC-26 宮川工機㈱

同 上

同 上 

プレカット工場 集塵装置バグフィルター・リバースエアタイプ=BFR5×6:22kW3基/3×5:15kW2基 井上電設㈱

広 葉 樹 製 材 工 場                           針 葉 樹 製 材 工 場

写真:同社HPより

写真:同社HPより

間柱加工機/火打ち加工機 平安コーポレーション㈱

梱包フィルムシート

登り梁・斜め梁加工機 MHF-M3 宮川工機㈱

横型バンドソー

Corporate Social Responsbility
企業の社会的責任
地域と共に様々な社会活動や環境への
取り組みを積極的に実践する。

公募で採用した
ロゴマークの社旗

本社・士別工場事務所

 取 材 余 話

同協組 取材協力:㈱コーエキ〉

プレカット工場を再整備した北海道士別市の
道北ハウジングシステム協同組合を訪ねて

メインの製材機ライン・リングパーカー=石田エンジニアリング㈱/チッパー富士鋼業㈱

乾燥装置ヒルデブランド㈱ 30㎥×11基