家具業界の実状を知らない私が、この仕事に携わったとき、飛騨の高山で家具を生産している会社だから、近隣の山から伐採した木を材料にしているものとばかり思っていたところ、何と99%は海外から輸入の広葉樹であったことを知り、驚きました。飛騨の山々を見ると木が多く育っています。この木を何とか使えないものかと問うと、多くはヒノキやスギの針葉樹で家具には不向きな材料という。針葉樹は柔らかく傷もつきやすく節も多いなど……、しかし何とか地域の材を生かすことができないものかと、そんな強い思いがあって一度スギで家具を創ってみようではないかと試作したところ見事に失敗しました。それは普段の木製家具の形では消費者に受け入れられない。いかにも広葉樹製品の家具と比べられると質感がないことが分かった。
 時に幸いにも当社特有の曲げ木技術はスギを圧縮硬化させて広葉樹のもつ比重に近づける技術を開発していた。この圧縮圧締したものを安定した状態に置くことの難関も技術的にクリアして商品開発を進めたきました。当社が思いを込めて生産した数々の品々は、お手もとに配布したパンフレットをご覧ください。

 このあとスライドによる説明のため記述は割愛します。同社の概要はホームーページをリンクしました

      飛騨産業株式会社


 講演会終了後、新年賀詞交換会開く
 出席者は席を移し新年祝賀会に臨んだ。(一社)日本木工機械工業会井本希孝理事長の挨拶のあと、来賓の石田祝稔衆議院議員、原田義昭衆議院議員(秘書代読)そして経済産業省産業機械課長・片岡隆一氏、林野庁木材産業課長・猪島康浩氏、国交省住宅局住宅生産課木造住宅振興室長・武井利行氏らが祝辞を述べたあと、全日本木工機械商業組合理事長・桑原柾人氏が乾杯の発声で開宴、和やかに歓談の輪が広がった。
  
   井本希孝氏       石田祝稔氏
 さて、当会の会員数は現在63社で、会員による出荷額の統計によると、直近の1年間で約910億円で前年比で16%アップしています。ひとえに各木材産業各位の投資意欲に成り立ている思っています。27年の国産材需要量は約2500万㎥で、さらにこの量を約4000万㎥を目指しています。この目標達成には各位の力添えを願うと同時に、一方で国産材の利用については環境資源として、付加価値を極力高めていくことが大切ではないかと思っています。今日は絶えず付加価値の向上を実践し続けている岡田社長のお話を楽しみに聞くことにしています。

 
   98年の歩み「よみがえる飛騨の匠」
     伝承の技術が今も家具生産を支える


        講師の岡田朁三氏
 先ず当社は創業98年になります。私は社長に就任して18年目になりました。当時、社長が病に倒れていたところ、たまたま祖父が飛騨産業と縁があり、木工産業について何も知識の無い私が社長を引き受けることになった。そして会社は倒産寸前といってもいい経営状態にあった。その間、特別な手を打ったわけではありませんが、何とか経営も持ち直し今では社員も増え順調に推移しているところです。
 さて、家具業界はとてもマイナーな業界で、全国に薄く幅広く市場を広げていくしか無いという業態です。そこにスエーデン発祥のi社や北海道ご出身社長のN社が大量にそして市場に価格の安い店舗展開にはとても太刀打ちできません。国産メーカーは苦戦を強いられているのが実状です。
一般社団法人 日本木工機械工業会
 講演を前に菊川厚副理事長は開会挨拶で、「昨年10月当会が主催した“日本木工機械展2017”に多くのご支援をいただきお礼を申し上げます。来場者も前回より20%多く来られ無事に終わることができました。
新春講演会と祝賀会開く
 (一社)日本木工機械工業会(名古屋市中区大須4-11-39、井本希孝理事長=飯田工業㈱社長、電話052-261-7511)は1月16日、午後3時から東京・港区芝公園の機械振興会館6D-4号室で新春講演会と同館倶楽部で新年祝賀会を開き、木工機械業界関係者、学識経験者、行政関係者ら70名が出席した。
 講演会は事務局の天野大樹氏の司会で進められ「よみがえる飛騨の匠」と題して、飛騨産業㈱代表取締役社長の岡田朁三氏が講演した。
                                                                 Woodfast '18-02
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 飛騨産業㈱岡田朁三氏が「よみがえる飛騨の匠」と題して講演